その後もイジメは続いたが、2年生の2月に母親が代理人を通じて学校に働きかけたことをきっかけに第三者委員会が設置され、イジメ事案としての調査が始まった。しかし約1年待った中学卒業直前に作成された報告書の内容は、ソウタくんと母親にとってまったく満足できるものではなかった。

「一番許せなかったのは、報告書にある『虐待通告』という言葉です。ソウタの髪がはねていることなどを理由に『お風呂に入っていないのでは』などという学校側の推測が書かれ、まるでネグレクトのように扱われているんです」(母親)

 虐待通告とは、生徒が家庭で虐待を受けている可能性を学校が疑った場合に、児童相談所などに通告するシステムだ。

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 報告書では「お風呂に入れてもらっていない」、「におう」といった学校側が虐待を疑う理由が記述され、ソウタくんと両親はそれに深く傷ついたという。

 実際に学校のスクール・ソーシャル・ワーカーがソウタくんが虐待を受けているのではと疑う書類を作成しているが、その書類が児童相談所に提出された形跡はない。

「自分が言ってもいないことが、さも言ったかのように書かれていた」

 ソウタくんは報告書の内容について、「言ってないことが書かれている」と不満を露わにした。ソウタくんの当時の日記には、「『いじめの相談をしに学校に行く』と言って家を出たことがあります。いざ先生の態度が強くて話しにくくなり、結局、家の普通のエピソードを話していました。家でちょっとした口げんかをすることはありますが、…(中略)…虐待とは違います」(ママ)と書かれている。

ソウタくんの日記では報告書への不満が記されている

「自分が言ってもいないことが、さも言ったかのように書かれていました。僕が虐待を訴えたように見える書き方をされている部分は修正してほしい」(ソウタくん)