北朝鮮が2月19日から25日まで第9回朝鮮労働党大会を開いた。一番目立ったのは金正恩総書記への美辞麗句の嵐だ。
金正恩氏の総書記再任(推戴)を提案した李日煥書記は22日、「非凡で特出した指導力」「特出して洗練された手腕を持つ偉人」などと持ち上げ、「わが人民は、自分の運命と家庭、後世の将来を金正恩総書記に委ねており、金正恩総書記がこの国を導くことを願っている」と歯の浮くようなセリフを吐いた。
韓国中央情報部(KCIA)で長く北朝鮮を研究した康仁徳元韓国統一相は「こんな度の過ぎた個人崇拝は初めてだ」と語る。
「中継も見ずにスマホに夢中」冷めきった北朝鮮市民
なぜ、こんなお追従の嵐が吹き荒れたのか。脱北した元党幹部は「党大会は党と人民の契約の場だ。党は素晴らしい実績と夢のような未来を提示し、人民についてきてくれと迫る」と語る。
元幹部は「党はたいした実績も残せず、自分たちだけが利益を独占している。人民も党に期待していない。党大会の中継も見ないで、スマホに夢中だ。焦った党は最高指導者をこれでもかと飾り立てて、人民の関心をひこうとしている」と説明する。
党は金正恩氏の実績として、「(平壌でのアパート5万戸建設などの)建設革命」「保健医療革命」「地方発展」などを挙げた。しかし、脱北者らは「アパートをつくっても、電気も水も十分保証されていない」「病院は立派になったが、無償だった診療費が有料になった」「地方には、まだまだエスカレーターも自動ドアもない」などと証言する。まるで、悪徳セールスマンが粗悪品をみせて契約を迫る、出来の悪い詐欺の現場を見ているようだ。
