「エプスタイン島」で行われていたこと

 1月30日にエプスタイン・ファイルの約半量、300万枚の文書が公開された。米国の大手メディアは多人数のジャーナリストによる文書の解析/解読チームを編成している。AIを使って文書を解析するが、不明瞭な点と点をつないで文書の内容を確実に解き明かすのは人間の手によるとしている。したがって公開から1カ月経った今もごく一部しか内容を解き切れておらず、新たなリポートが日々公開されている。

カリブ海に浮かぶリトルセントジェームズ島、通称「エプスタイン島」。エメラルドグリーンの海に囲まれた島には、衛星写真でもはっきりと大邸宅が視認できる。ブルームバーグの報道によると、数々のセレブ達も訪れたとされるこの島は、事件発覚後、地元民から「乱交島」「ペドフィリア(小児性愛)島」と呼ばれていた ©AFLO

 3月2日付のニューヨークタイムズの記事は、エプスタインが複数の医師をコネクションによって使い、エプスタインが虐待していた少女や若い女性たちに整形手術、歯科治療、性病治療(エプスタインも含む)などをさせていたことを明かしている。

 ある女性が「エプスタイン島」でATV(四輪バギー)車から落ちて額に大ケガをした際にはエプスタインが医師を自宅に呼び、ダイニングテーブルの上に女性を寝かせて35針縫ったとあり、施術中の写真も公開されている。こうした治療の中には医師としての倫理規定を超えたものがあるとされ、実名報道されている医師たちの中からも辞職者が出る可能性がある。

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エプスタインは医師とのコネクションを使って、私的に手術や治療を行っていた(米司法省が公開している「エプスタイン・ライブラリー」より)

10年間にわたって交際していた「元恋人」医師の名前も…

 そうした医師たちの中に驚くべき名があった。ニューヨークの大病院、マウント・サイナイ病院に現在も勤務するエヴァ・デュビン医師だ。デュビン医師の旧姓はエヴァ・アンダーソンといい、エプスタインが1980年代に10年間にわたって付き合っていた恋人だ。デュビンは単なる勤務医ではなく、マウント・サイナイ病院の理事であり、同病院内にあるデュビン乳がんセンターの創設者でもある。

エヴァ・デュビン医師(デュビンファミリー財団HPより)

謎に包まれたエプスタインの生涯

 エプスタイン・ファイルが公開される前から、各メディアはエプスタインの謎に包まれた生涯を解き明かそうとしてきた。労働者階級の家庭に生まれた青年が、大学を中退しながら有名私立校の教師になったこと、そこから投資銀行に転職したこと、その職を辞して“フリーランサー”となった後、どのようにして億万長者となったのか?

 そうした記事を丹念に読み込むと、エプスタインは10代の少女たちを虐待しながら、折々に成人女性とも付き合っていたことが浮かび上がってくる。(文中敬称略。つづく)

次の記事に続く 「1億ドルの遺産を彼女に」児童売春で起訴、“島”で行っていた行為は…エプスタイン元被告が関係をもった“謎多き恋人たち”

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