10倍を見込む銘柄とは
――そして杉村さんが10倍を見込んでいる銘柄は。
杉村 意外かもしれませんが、北海道電力です。僕、地元が北海道なんです。北海道電力って正直今は経営状況が厳しくて、北海道は電気代が日本で一番高いんですよ。
――そうなんですか。
杉村 原発が動いていないので、石油やガスで火力発電をやっています。さらに、ロシアがウクライナに侵攻して以来、原料が高騰しています。電気料金が高いのも確かに問題なんですけど、その上でCO2も多く排出してしまっているんですよね。
――現状は厳しいということですが、なぜ10倍になると考えるのでしょうか。
杉村 まず原発の再稼働を現知事が容認するということ。さらに、北海道には半導体メーカーのラピダスの工場ができ、ソフトバンクもデータセンターを作ろうとしている。
洋上風力ができるようになると…
――電力需要が増えるわけですね。
杉村 これからもし北海道が、「電力だけは安心してください」という状況になると、あらゆる企業の誘致も可能になってきますよね。土地もあるし、温度も低い。さらに、ポテンシャルが高いのが洋上風力開発です。
――洋上風力ですか。
杉村 洋上風力発電がもしできるようになると、1000万~1500万kWhまで出せるようになるんですよ。今より倍以上の電力供給量です。CO2排出もぐーっと下げられる。そうすれば、電気が余るので電気代も下がるでしょうし、企業誘致がより活発になりますよね。
政府は諦めていない
――だた一方で、三菱商事が洋上風力から撤退したという報道もありましたが。
杉村 三菱商事が洋上風力をやめたのは、民間企業としてコストが合わないからです。でも、政府は洋上風力開発を諦めていません。「骨太の方針」にもがっちり書いてあります。
――なるほど、そこがポイントなんですね。
杉村 今は毎年多額の電気代の補助金を家庭に配ってるでしょう。それを続けるくらいなら、洋上風力の開発に補助金を出すように切り替えるんじゃないかなと。そうなると、北海道電力には伸びしろがあると私の中で導き出しました。すべては「骨太の方針」を読んで、僕が北海道出身だから考えたものです。そんな太蔵の頭の中が、本の中には詰まってます。
――「太蔵さんだからこう考えた」ということですよね。
杉村 くれぐれも投資は自己責任ですし、ある銘柄を私が推奨してるという事でもないんです。あくまでも私の頭の中はどういうふうになってるか、その思考法を共有したい。だからここに書いてあるのをそのまま買うっていうのは推奨しません。あくまでもケーススタディとして読んでほしいです。

