「東京を台湾代表のホームに」前代未聞のプロジェクトが始動
「東京で1000人以上収容できる屋内会場を3カ所借りることに成功しました」
「応援パーティーを開き、東京で約5000人の台湾野球ファンが集結できます!」
1月29日、台湾プロ野球を運営する中華職業棒球大連盟(CPBL)の蔡其昌(ツァイ・チーチャン)会長は、SNSにこう投稿した。WBC日台戦が行われる3月6日に合わせて「台湾ナイト」(台灣之夜)と銘打ち、東京で台湾人ファンに限定した前例のない大規模パブリックビューイングの開催を意気込んだ。
冒頭で触れた通り、日台戦のチケットは瞬時に売り切れ、飛行機とホテルは確保したのに、現地で日本戦を見られない、という台湾人ファンから多くの悲鳴が上がっていた。
事態を重く見た蔡会長は、官民と連携。台湾のクラウドファンディングサイトで民間団体が発起人となり、東京ドームに入場できない台湾人ファン向けの応援会場を設けることを目指したプロジェクトが始動した。2688台湾ドル(約1万3000円)以上を出資すれば、台湾ナイトの参加資格が得られるという内容だった。
現地メディアによると、クラウドファンディングは開始からわずか20分で目標額の1800万台湾ドル(約9000万円)を達成。この資金をもとにCPBLなどが会場手配を進め、出資した台湾人約5000人が、東京で台湾ナイトに参加できる、はずだった。
「国内独占配信」Netflixが“待った”
ところが、日本におけるWBC中継の配信権を独占取得した動画配信サービス大手Netflixが、台湾ナイトの開催に“待った”をかける事態に。
主催者の発表によれば、Netflix側は「小規模かつ非営利であること」などの原則を守り、参加人数を厳格に管理することを台湾ナイト開催の条件として求めてきたという。
Netflixの規約では、サービスの利用を「個人的な非商業的用途」に限定しており、「公の場での上映」のために利用しないことを求めている。
「5000人近い皆さまに参加いただいておりますが、ライセンス契約による人数制限により、現時点では約半数の皆さましかご案内できない状況です」(主催者)
こうして、台湾ナイトに参加できるのは当初の半分となる約2500人にとどまることとなり、主催者側はクラウドファンディングへの出資が早かった人から順に案内すると発表した。
参加できなくなったファンには、出資金を返金するとしたが、ファンからは「あり得ない」と怒りの声が収まらない。あるファンは5人分で出資したものの、「4人は入場できるが1人は入場不可」という通知を受け取ったとSNSに投稿。「本当に最高ですね」と皮肉った。
NetflixによるWBC独占配信に伴う影響は、思いがけず台湾の野球ファンにも及ぶこととなったわけだ。

