台湾代表の注目選手は……?

 また、台湾が国際社会で置かれた苦しい立場も熱狂の背景にあると野嶋さんは話す。

「中国から国際社会で居場所を狭められ、国連やWHOから排除されてきた台湾にとって、国際スポーツは『プレーヤー』として参加できる貴重な場。『チャイニーズ・タイペイ』という呼称に不満があっても、あえて飲み込む台湾の人々の気持ちを、日本人としても理解したい」

 今大会、台湾代表はどんな戦略でWBCに臨むのか。

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 野嶋さんは、1stラウンドの見立てとして「本音は2位通過。日本に勝とうとは思っていないはず」と分析する。

 大谷選手や山本選手らが揃う日本は別格とし、初戦の豪州や韓国、チェコを叩く現実的な戦略を描いているとみる。

 野嶋さんはメンタルと守備力をいかに克服するかが台湾の勝敗の鍵を握るとも話す。

「台湾代表は身体能力こそ高いですが、大舞台でのメンタルの弱さが勝敗に響いてきました。元西武の呉念庭(ウー・ネンティン)選手や、日本に野球留学していたキャプテンの陳傑憲(チェン・ジェシェン)選手ら海外経験の多い選手が活躍してチームを引っ張るのではないでしょうか」

「プレミア12」で台湾代表を優勝に導きMVPにも輝いた陳傑憲。今回も招集されており、日本代表に立ちはだかる

 守備のほころびも弱点だったが、近年は元阪神の平野恵一氏ら多くの日本人指導者が台湾に渡って指導し、その成果が出つつあるという。

 良好な国民感情を共有する日本と台湾。双方のファンにとって最高のシナリオは、互いに1stラウンドを通過し、米国で行われる決勝で再び、双方が相まみえる展開だろう。今大会、日台両チームの選手たちは、どんなドラマを見せてくれるだろうか。

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