栗山英樹が明かす「サプライズ選出」の裏側
前年の終盤から日本シリーズにかけて好成績を残したものの、育成選手として入団した宇田川の抜擢には意外性があった。恵まれた体格から150キロを優に超える威力のあるストレートを投げるリリーフだが、栗山が一番評価したのは宇田川の特性だった。多くのリリーフが苦戦する、イニング途中の登板とイニングまたぎという難易度の高いシチュエーションでも自分の実力を発揮できる投げっぷりを高く買ったのだ。
同じような理由で伊藤大海も選んでいた。所属する日本ハムでは先発の柱として腕を振っているが、東京オリンピックでの物怖じしない投球やリリーフもこなす高い適応力がWBCで必ず必要になると信頼を置いていた。短期決戦で登板しているピッチャーの状態が悪い場合、早めの見切りが求められる。マイナスの状況を想定した時にこの2人の存在が欠かせなかったと説明した。
「要するにどういう状況でも打つ手を持って、いつでもどんな時でも対応してくれるピッチャーなんですよ。誰かを選ぶっていうだけだったら全然簡単だったんですけど、連投させられない。
なので、別のピッチャーで行ったけどダメだった時に、誰が行くんだ。もう一人リリーフ入れておいた方が絶対いいぞ、と。どこでも行ってくれる宇田川や伊藤がやっぱり必要になる、そういうことなんで。彼らが持っている能力が欲しかったということですね」
一方の野手では構想のスタート段階、まだ真っ白なキャンバスを前に最初に心に決めた選手が2人いた。

