「わざとエラーをする選手がいる」

 一人の外国人選手の告白が、球界を揺るがした。1969年、暴力団が絡む大規模な八百長が発覚。エースまでもが永久追放となった「黒い霧事件」を、宝島社『日本の未解決事件100』より抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

ADVERTISEMENT

日本中をさわがせたプロ野球の「八百長疑惑」

 2011年(平成23年)、「八百長メール」の発覚で、存亡の危機に追い込まれた大相撲界だが、いまから50年以上前に、日本中をさわがせた八百長疑惑がプロ野球界にあった。これがいわゆる「黒い霧事件」である。

 1969年(昭和44年)のシーズンオフ、西鉄ライオンズの助っ人外国人カール・ボレスは親しい報知新聞の記者にポツリとこう漏らした。

「最近、チームのなかにわざとエラーをする選手がいるように見える」

 これを聞いた記者は、その意味の重大性を感じ、グループ会社の読売新聞社と共同で取材を開始。プロ野球界に、大がかりな八百長が蔓延している可能性が高いことを突き止めた。

 10月8日、報知新聞は西鉄の永易将之が、暴力団に頼まれ八百長に関与していたことを報道、一気に球界の八百長疑惑が弾けた。永易は、日本球界初の永久追放処分を受ける。