「桜っ子クラブさくら組」で念願のアイドルデビュー

――井上さんは事務所所属を機に上京します。ご両親からは「アイドルにはなれない」と言われていたわけですが、井上さんの芸能界入りにはどういう反応だったんですか。

井上 騙されてないかなというのだけ心配してました。当時は連絡も電話だったから、親としては事務所の人間が電話をしてきても「電話先のこの人は大丈夫な人かな?」とか心配になりますよね。だから親としても賭けですよね。

――井上さんは16歳でテレビ朝日のバラエティー番組「桜っ子クラブ」でアイドルグループ「桜っ子クラブさくら組」のメンバーとしてデビューします。

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井上 森脇健児さんと「光GENJI」の内海光司くんが司会で、SMAPにTOKIOもいて。西武グループがスポンサーだから、西武園ゆうえんちで収録をしていたんですけど、楽屋がなくて、TOKIOが廊下で着替えていたのを覚えてます。

筆者撮影

――井上さんは念願のアイドルになれたわけですが、最初にアイドルをやれると聞いた時はどんな思いだったんですか。

井上 嬉しかったです。やっと最初の一歩を踏み出せたなという感じでした。アイドルだったらソロがいいとか、グループがいいとか、そういうこだわりはなかったので。なんでもよかったんですよ、アイドルという肩書きであれば(笑)。

 歌いたい、ステージに立ちたいというわけでもなく、人から「何をやってるの?」と聞かれて「アイドル!」と答えたかった。今考えれば、かわいいですよね。

――テレビに出たことで家族は安心したんじゃないですか。

井上 番組は関東ローカルだったから、しばらくは「東京で何をやってんだろう」と親は思っていたみたいです。「笑っていいとも!」とか全国放送の番組に出始めたら、仕事しているんだとやっと認められて。テレビに映らないと難しいです。田舎は特に。

番組のお客さんは全員、SMAPファンで…

――「桜っ子クラブさくら組」自体も井上さんがいて、持田真樹さん、中谷美紀さん、加藤紀子さん、菅野美穂さんも所属するなど、今振り返るとすごいアイドルグループです。どんな雰囲気だったんでしょうか。

井上 仲はよかったですよ。みんな事務所が違っていて、パッと仕事で集まって、番組が終わったらいなくなる。サークルじゃないけど、そんな感じです。例えば持田真樹ちゃんだと「『高校教師』のセリフを覚えなきゃ」と言って、速攻でいなくなって帰っちゃうし。別の仕事があるメンバーは収録に来なかったりするんです。

 番組の内容自体も、実はよく覚えていなくて。番組の最後はSMAPの歌でいつも終わる感じだったような気がします。あとお客さんが全員、SMAPのファンだったことは覚えてます。