3月6日、WBC連覇に挑む侍ジャパンの初戦が東京ドームで開催された。大谷翔平の先制満塁弾を含む大量得点で台湾にコールド勝ちを果たし、試合後も熱気にあふれていた球場外には、日の丸の扇子を頭に括り、派手な着物姿で歩く女性が……。

 この日、チケットを取れずに球場付近でパブリックビューイングに参加していたという「ふくちゃん」と名乗る阪神タイガースファンの女性に、着物に込めた思いを聞いた。

球場には入れず、近隣のパブリックビューイングで侍ジャパンを応援したという「ふくちゃん」さん ©濱川太一

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 この着物、自分で仕立てたものなんです。もともと着物が好きで、大好きな阪神タイガースにちなんだ柄で何着も作ってきました。

 今回のような大きな国際大会は、私にとって特別な「祈り」を込める場所なんです。東京オリンピックの時も専用のものを仕立てたのですが、コロナ禍で無観客だったので着る機会を逃してしまって。その分、国立競技場の付近をうろうろしていましたけど。

こんなアホタレな格好しているのは私だけ

 今日の着物のテーマはホームランをイメージして、「青空に舞う野球ボール」。髪型まで作り込むと1時間半はかかりますが、このスタイルを始めてもう20年。タイガースファンって個性的で面白い人が多いでしょう? その中で自分らしく応援するには「誰もやっていない格好」を突き詰めるしかないと思ったんです。

 正直、こんなアホタレな格好をしているのは、ドーム周辺を見渡しても私だけ。めちゃくちゃ悪目立ちしていますけど(笑)、これが私の応援スタイルなんです。

 そうそう、着物には日本の国旗だけじゃなくて台湾の国旗もあしらっています。相手へのリスペクトを忘れたら人間じゃないからね。

対戦相手へのリスペクトも忘れない ©濱川太一

 今日の試合? 実は中で観戦できてないの。日本戦のチケット、全然取れませんでした。受付開始の瞬間にアクセスしても繋がらず、やっと繋がったと思ったら終了。無理無理、取れるわけないですよ(笑)。

 だから今日は、ドームから出てくる人たちを見て「前世でどんな徳を積んだの?」ってうらやましく思いながら、雰囲気だけでも味わいに来ました。

 試合は見られなくても、この場所に来るだけで力が湧いてきます。いつか自作の着物に身を包んで、大好きなタイガースの森下翔太選手に届くような精一杯の応援をしたいですね。

次の記事に続く 「プレミア12の侍ジャパンは、本物ではなかった」97歳でWBCのために来日した『台湾人男性』が、“台湾ボロ負け”を予言できていたワケ

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