4/4ページ目
この記事を1ページ目から読む
すべてを捨てて今いる場所から脱出
蒸発した人たちは、家族や親せきなど、過去の人間関係を断ち切って生きている。悪いことをして追われている人もいるだろうが、そうとばかりは限らない。周囲から見たら問題なく生きている人が、すべてを捨てて今いる場所から脱出することもあるのだ。年間数千人という蒸発者の数が、それを物語っている。
海外ではこの映画をきっかけに「JOHATSU」が一般語として流通し始めているとも聞く。
蒸発とは、それまで何者かであった人が、この社会における空気のような存在になることだ。探す人から見ればたまったものではないだろうが、あらゆるしがらみから逃れ、ゆらゆらと漂うような不思議な存在が許される世の中には、ある種の救いがあるようにも思えるのだ。
北尾 トロ(きたお・とろ)
ノンフィクション作家
主な著書に『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』『裁判長! おもいっきり悩んでもいいすか』などの「裁判長!」シリーズ(文春文庫)、『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか』(プレジデント社)、『町中華探検隊がゆく!』(共著・交通新聞社)など。最新刊は『人生上等! 未来なら変えられる』(集英社インターナショナル)。
ノンフィクション作家
主な著書に『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』『裁判長! おもいっきり悩んでもいいすか』などの「裁判長!」シリーズ(文春文庫)、『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか』(プレジデント社)、『町中華探検隊がゆく!』(共著・交通新聞社)など。最新刊は『人生上等! 未来なら変えられる』(集英社インターナショナル)。
