日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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息を潜める財務省
衆院選で大勝した高市早苗首相にとって、次のハードルとなるのが、選挙公約の実現である。中でも重圧になるのは食料品の消費税をゼロにする大型減税だ。
公約では「国民会議で検討を加速」としか書けず、首相は特別国会の施政方針演説でも減税の具体策に踏み込むのを避けた。小林鷹之政調会長(平成11年、旧大蔵省入省)が慎重論を強く唱えたとされる。霞が関では「選挙直前の首相と議論して引かない度胸がある」(経済官庁局長)と一目置かれるようになった。
押される一方の財務省は「減税の流れを押しとどめるのは難しい」(中堅幹部)とため息ばかり。だが、国民会議では「減税の問題点と対応策はしっかり議論してもらう」(局長級)と覚悟を決めている。最大の難関である財源問題は主計局が担当する。年5兆円の財源を見つけねばならず、宇波弘貴主計局長(元年、同)の表情は冴えない。国会では衆参両院の予算委員会に張り付くため「予算が成立するまで省内の会議や打ち合わせも思うようにできない」(課長)と悩ましい日々が続く。
大らかな性格の新川浩嗣事務次官(昭和62年、同)も主計局長の時はストレスで体調を崩すことがあった。後輩たちは「宇波氏は几帳面な性格。思い詰めすぎないでほしい」(主計官)と気を配る。
最近の財務事務次官は太田充氏(58年、同)、茶谷栄治氏(61年、同)、新川氏と消費税と関わりが深い社会保障担当の主計官から起用されている。
宇波氏や吉野維一郎首相秘書官(平成5年、同)、一松旬主計局次長(7年、同)、今年夏に復興庁から戻る大沢元一氏(同)もこの系譜で、「消費税減税は主税局だけでなく、主計局の心臓部を直撃している」(元主計官)のは間違いない。政官の関心は首相を中心とする官邸の動向に集中しているが、財務省は自民党幹部とのパイプの維持にも腐心している。国民会議には与野党が参加し、政治主導の形を取るからだ。
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年4月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。

