北海道公演が集客に余力を残したことにはいくつか理由がありますが、果たして雄大な北の大地での公演は、ファンにとってどのような存在なのでしょう。
最大の理由は、「5月31日の正真正銘の最終公演を東京ドームで見届けたい」と願うファンの希望が、最終公演への応募に集中したことでしょう。
「どうしても観たい本気度が伝わるように、最終公演だけにしぼって応募した」「第4希望を『いつでもどこでもよい』にすると倍率の低い他会場にまわされる可能性が高いから、『希望しない』にした」というファンは多く、実は筆者も1次応募では同じように考えました。
STARTO社と付き合いの長いファンであれば、特定の日程の公演に入りたいときは他の日程を希望せず、いわば退路を断った応募のほうが当選する可能性が高いと経験上知っています。
別公演の例になりますが、千穐楽など応募数に大きな片寄りが出る公演は、他日とは別枠で応募を募るものもあります。
今回のツアーではそうした対応は取られなかったため、最終公演に応募が殺到したのではないでしょうか。
グッズの個数制限、12000円均一での抽選、CDは完全受注生産
また、北海道公演には飛行機に頼らざるをえない会場へのアクセスの悪さや、宿の取りにくさ、遠征費用が高くなることなど他の地域にはない独特の難しさがあります。最終公演のプライオリティーの高さに加え、天候や交通アクセス、宿の事情など、いかんともしがたい外的要因が重なったことが、“余裕”の出た大きな理由となっています。
とはいえ、ファンクラブ再入会組や一般のファンでも応募できる状態であれば、すべての座席が一瞬で売り切れたことは疑いの余地がありません。
「ラストツアーが秒殺でソールドアウト!」という栄誉を手にすることも、満席分の収入を得ることもたやすかったはずです。
しかしながら、今回のラストライブではグッズの購入数に1人あたり2つまでという上限があること、最前列などに高額席を用意せず、通常どおり全席1万2000円の同価格で抽選にしたこと、また5月31日発売の「Five」CDシングルをオンライン限定で完全受注生産としたことからも、嵐が収益を積み上げるより、「ファンに感謝を伝えるために何がベストか」を考え抜いた痕跡が見て取れます。
つねにファンの幸せを考えてくれるのが嵐で、彼らをきっかけにそれまで放置されていた問題が是正された例は他にもあります。
