20年かけ無数の貝でつくられた執念の公園

 豊浜港を見下ろす高台には、神社の鳥居の他に、船形展望台(老朽化で立入禁止)、大砲、魚型テーブル、テラス、ひょうたん塚などが無数の貝がらをはめ込んだコンクリートで作られている。

大砲のオブジェ

 コンクリートは経年劣化で黒ずんでくるが、貝がらは白色顔料の胡粉の原材料となるほど白い。黒灰色の地に白いブツブツ模様のオブジェがあちこちにあり、なんとも奇妙だ。貝がらの内側、光沢がある真珠層を表側にして埋め込んだものは、うっすら輝いていたりも。それぞれの素材の特徴を活かした見事な造形だ。

切手のデザインにも採用されたひょうたん形の塚

 山本さんは1日も休むことなく、もっこ(運搬具)を担いで、麓から貝殻や砂利、セメントを20年間も運び続けたという。なんという執念! それぞれのオブジェには協力してくれた人の名前や企業名まで貝殻を並べた漢字で記しているのも興味を引く。途中からは息子の山本良吉さん(公園は山本さんの私有地だ)も手伝ったそうだが、毎朝2時半起きだったとか。

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船形展望台(老朽化により立入禁止)

 余談だが、こういうブツブツ模様が苦手な人がいる。トライポフォビア(集合体恐怖症)というもので、ハスの実がブツブツになった果托(丸いシャワーヘッドみたいなもの)を見て背筋が寒くなる感じがいい例だ。有毒生物や皮膚病のブツブツ模様を身の危険と感じ、遠ざけようという心理が働いているのではないかとされている。貝がら公園のオブジェにどことなくゾワゾワするのはそのせいだろうか。

 近年は広大な公園の北のはずれに無料駐車場が整備されたり、草刈りが行われるなど地元の方も管理をお手伝いされている。後は理想宮のように文化財に指定されるのを待つだけ?

INFORMATIONアイコン

貝がら公園
住所:愛知県知多郡南知多町豊浜登畑12-12
アクセス:名鉄知多新線 内海駅より海っ子バス西海岸線で「豊浜」下車徒歩4分。
貝がら公園まで15分ほど歩くが、北入口駐車場(無料・7~8台程度・愛知県知多郡南知多町豊浜東狭間)からもアプローチできる
★自由見学

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