「いったいここはなんなんだ!?」

「どうしてこうなった!?」

 つい、そう思わずにはいられない“非日常的な小宇宙”が日本各地に点在する。ここでは、そうした珍スポットがまとめられた『ニッポンの異空間 ふだん着で行ける秘境』(大和書房)の一部を抜粋。

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 埼玉県の巨大地下神殿、首都圏外郭放水路を写真とともに紹介する。

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圧倒されるインフラ施設・巨大地下神殿

 工場でもダムでも牛久大仏(高さ120m・茨城)でもいいのだが、常軌を逸したサイズの建造物はもうそれだけで周囲の空間を歪ませ、《異空間》を生み出す。重力で光が曲がるとかそんな話ではない(と思う)。古代の人は巨木や巨岩を神が宿る依代としてしめ縄で結界を結び畏怖したが、常軌を逸したスケール感の構造物を前にすると、それがどんなふうに出来上がったのか頭ではわかっていても、現代人もやはり畏怖に似たものを感じてしまうのかもしれない。

 巨大構造物というものは、つい妄想も抱いてしまいがち。「牛久大仏が自分の方に倒れてきやしないか」「もしもダムが突然決壊して自分が流されたらどうしよう」……。「怖いもの見たさ」は、自分の身を安全な場所に置く限りドキドキが楽しめる。巨大なものが怖くて直視できないという巨大恐怖症(メガロフォビア)の人は、想像力が豊か過ぎたり、自分が安全な場所にいるということを認識できない何かがあるのかもしれない。

首都圏外郭放水路/調圧水槽

「首都圏外郭放水路」という名称はなんとも小難しいが、テレビなどでは「巨大な地下神殿」として紹介されることが多い。