未婚率の上昇や「中年男性の孤独死」が社会問題として騒がれ始めて久しい。しかし、当の独身男性たちは、世間が思うほど「孤独」を深刻な問題だと捉えていないという。いったいどういうことなのか。

 ここでは、社会起業家で合同会社ヨルミナ代表の坂爪真吾氏の著書『モテない中年 恋愛格差と孤独を超えて』(PHP新書)の一部を抜粋。離婚後、独身生活を謳歌、自身は結婚相談所を運営する男性・関川さん(仮名)の経験談を紹介する。

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「他者と一緒に暮らすこと」の難しさ

「今の自分を丸ごと受け入れてほしい」という一方通行のスタンスで婚活をしたとしても、異性からは「そんな人とは結婚するメリットがない」と思われてしまうのではないだろうか。

 結婚はあくまで、他人との共同生活であり、他人とのコミュニケーションのうえに成り立つものである。そう考えると、「今の自分を丸ごと受け入れてほしい」という自己中心的な欲求は、結婚によって解決すべき欲求でもなければ、解決できる欲求でもないのではないだろうか?

「そう思える人は、ちゃんと他人に対する愛情があって、他人とちゃんと向き合える人です。

 20代の頭が柔らかいうちに他者と一緒に生活する機会が得られれば良いですが、価値観やライフスタイルが固まってしまい、それらを捨てる勇気もないまま40代になってしまうと、他者と一緒に暮らすことは難しくなるのではないでしょうか。

写真はイメージ ©asu0703/イメージマート

 僕たちの親世代は、男性は結婚していないと会社で活躍できなかったし、女性は結婚しないと生活できなかった。今の時代は、男女問わず、結婚していなくても仕事で活躍できるし、生活もできる。そうなったら、結婚をする意味がわからなくなるのは当然だと思います。

 僕の父親は、晩年に『自分は生活能力がないから結婚した』という趣旨のことをつぶやいていました。亡くなる間際に言っていたことなので、偽らざる本音だったと思います。自分1人では料理・洗濯・家事・育児ができないから結婚せざるを得なかった、という男性は相当数いたのではないでしょうか。

 今は独身男性も1人で生きられる時代になっているので、結婚しなければ生活できない、というようなことはない。そのことも未婚男性が増える要因になっているのではないでしょうか。男性の場合、会社に行けばとりあえず自分の居場所があって、年齢が上になってもある程度ちやほやされるじゃないですか。それで本当の孤独を知らないままになっている気がします」