SNSでおしゃれな動画を発信し、センスあふれる「丁寧な暮らし」を楽しむ女性。しかし、その画面の外はゴミだらけで、素敵な手料理も実は幼なじみが作ったものだったとしたら――。

 『のんのんの日常チャンネル』は、そんな現代ならではの「ちょっとした虚構」から始まる、軽やかで独特のセンスが光るラブコメディである。

 SNSで大反響を得た本作の作者・路田行に制作の裏側を聞いた。

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『のんのんの日常チャンネル』(1)(文藝春秋)

「完璧なスパダリ」の裏にある恐ろしさ

 SNSでお洒落な生活を偽装配信するズボラOL・ののは、ハイスペイケメン社員・三里に特定され、告白される。 序盤はすべてを受け入れる「最高のスパダリ彼氏」に見えた彼だが、物語が進むにつれ、ののを選んだのは愛ではなく「自身の出世の条件に合致していたから」という打算な理由だったことが明かされる。

わずかな手がかりからののの正体を特定する三里

 一見すると重いサスペンスのような設定だが、本作の読み味はあくまで軽く、ゆるっと笑えるラブコメとして仕上がっている。この展開について、作者の路田行はこう語る。

「『ありのままを愛してくれる最高のハイスペ彼氏』なんて…絶対裏がありそう!みたいな感じで展開を考えていったので、2巻のシーンは打ち合わせの最初の方に決まっていたと思います。ただ、もう少し読み進めると冷徹とは少し違うと思って頂けるかもしれません。」

 打算的で冷徹に見える三里だが、実は彼自身も自分の感情を持て余している「不器用な人間」であるという。

突然泣き出すハイスぺ…?

「三里の本来の性格と三里が思い込んでる本人の性格にズレがあって、下心からの打算的な行動もあれば素直に出せなかった純粋な気持ちもあるんだろうな、と三里に対して思っていて。

 まっすぐ好意的な場面でもヒヤッとする場面でも、『実はこう感じている』という三里の人間味はどこか意識して描いたように思います。」