居場所づくりのための新たな挑戦

――再犯してしまう人を見ると、なんかこう込み上げてくるものはありますか。

廣瀬 2回目の懲役後はさすがに30代なので、後輩はもう結婚したりとか遠くに行っちゃったりで、友達とも疎遠になっちゃうし、やっぱり孤立しがち。親と仲が悪ければ、帰るところすらない場合がある。だから元いた悪い世界に戻るしか選択肢がないという子はすごく多いです。

 もしくは、立ち直る手段を知らないから、さっきの私の話じゃないけど、普通の会社に勤めてもいづらくなったりとか、過去がいつの日かバレちゃうんじゃないかとかビクビクしちゃう人も少なくなくて。

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 だから、そういう人が何でも打ち明けられる仲間、良き理解者、なおかつ定期的に会いに行って、待っている人がいてくれる環境があればいいんですよね。これだけ人がいれば少なからず自分の気が合う人を見つけて、孤立せずに自分を受け入れてくれる場所があるんだってことは言いたいですね。

 

――廣瀬さんの会社の存在を知ってほしいし、頼ってほしいと。

廣瀬 そうです。私は過去があるからこそ、それが生かされて初めてうまくいった仕事だから。

 私や会社のことを知って、居場所を求めに来てくれているのに、その気持ちを返せなくて悔しい思いもしているんですよ。

 知的障害のある方や脚が悪くて障害者手帳を持った方を迎えたけど、現場での作業が難しかったり、他の社員と同じ賃金を払えなかったりして、かえってかわいそうな思いをさせちゃったことがあって。高齢者の方だと現場は65歳までなのでそれ以上の年齢の方を受け入れられなかったり、女性だと体がついていけなくて長く続けられないとか。

 私を慕ってくれていても、泣く泣く別れる経験があったんです。

――ひょっとして、土建業以外でも受け入れる場を作ろうといった考えが?

廣瀬 中古の建物を買ってビジネスホテルを作っている最中です。やったこともない旅館業だから不安だったんですけど、少しでも多くの人が立ち直るために身を置いたり、働ける場所になったらいいなと思って。

 

 女性だと、出所して風俗やキャバクラに行っちゃう子が本当に多いんです。行き場がないと行きやすいところに行ってしまうことを私も知ってるだけに、そうしたところ以外にもちゃんと働けるって場を作らないと。だけど土建業だと条件的に限られることもあるから、宿泊業でもやってみようって。

 宿泊以外でも、そんな場所や職種を増やしたいなって、新たな挑戦をしているわけなんです。

写真=志水隆/文藝春秋

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