イタリア代表がベンチでエスプレッソを飲む理由

 そんな自由で楽しいイタリア野球の風は確実にイタリア代表チームにも吹いているとG.G.佐藤氏は語る。

「イタリアチームがベンチにエスプレッソマシンを持ち込んでましたよね。ホームランを打つたびにエスプレッソを一杯。あれはエスプレッソを飲むことで気持ちを切り替える文化なんですよ。一回リフレッシュしてまた仕事にのぞむ。野球はある意味“失敗のスポーツ”だから、切り替える意味でエスプレッソマシンを置いてるんだと思います。国際試合は何よりも切り替えが大事ですから。それは誰よりも俺わかってますけど……(笑)。

 だからこそ、ノったら一番怖いのがイタリア。切り替え上手だから、ミスを恐れないんですよね。ミスをしたところで、自分の価値は変わらないと考えてる。何より彼らは『イタリアの野球を盛り上げたい』という使命感を持ってるんですよ。それが一番彼らを強くさせてますよね」

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ホームランセレブレーションではコーヒーを一杯。2023年大会から引き続く独特のスタイルが話題になっている(WBC公式Instagramより)

イタリアチームの快進撃を支える「精神」

 G.G.佐藤氏がイタリア時代に籍を置いていたボローニャは、1990年代に発祥した「ブラインドベースボール(視覚障害者野球)」のヨーロッパにおける中心地でもある。イタリアで最も印象に残っていた体験について聞いていた時、G.G.佐藤氏はこうもらした。

「ブラインドベースボールを初めて見た時、すごい感動したんです。野球がどマイナーなこの国で、ブラインドベースボールをやっている選手がいることとそれを広めようと活動している人がいることに。俺が『感動しました』って話したら『一番感動してるのはプレーしてる彼らです。この競技を知らなければ部屋に閉じこもっていたかもしれない。ブラインドベースボールがあるから彼らはいきいきと人生を過ごせている』と言われました。

 俺……ショックでした。俺なんて目も見えるし体も動かせるし、何小さいことでうじうじしてるんだって。もっと今を感動しよう。もっと今を喜ぼう。今を大事に生きようって。過去を悔やむんじゃなくて、未来を不安がるんじゃなくて、今の自分を大事にしようって。それこそ“マンジャーレ、カンターレ、アモーレ”の精神ですし、イタリアチームの強さの根底ってそこにあると思うんですよ」

 日本時間15日の準々決勝、イタリアがプエルトリコに勝ち、日本がベネズエラに勝てば、準決勝で日本とイタリアの対戦が実現することになる。

「そうなったらもう、俺、G.G.佐藤の出番(ニヤリ)。解説など諸々は、日本野球とイタリア野球の両者を知る唯一の男、このG.G.佐藤にお任せください!!」

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