さまざまな人種が乗り合わせる国際線で働くキャビンアテンダントはどのような苦労をしているのか。外資系CAとして働くYouTuberのRyucrewさんは「同僚がアジア人の私に対して『つり目ポーズ』のような明らかな差別をしてくることもあれば、乗客やパイロットが何気ない差別発言をしてくることもあった。しかし、メキシコ人やブラジル人の同僚が堂々と差別に立ち向かう姿に救われた」という――。
※本稿は、Ryucrew『世界の空を飛んでわかった 人生に効く旅学』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
マスク着用を「お前には言われたくない」
コロナ禍の頃、機内でお客様にマスク着用をお願いしたときのことです。その男性は私に“You don’t tell me.(お前に言われたくない)”と言い、マスク着用を拒否しました。おそらくその人には「アジア=コロナウイルスの発生源」といった見方があったのでしょう。その後、他のクルーが促すと、“Oh, Ok!”と笑顔で応じ、マスクをつけ始めました。
この“You don’t tell me.”、実に巧妙なんですよね。「アジア人に言われたくない」と言うと差別発言になりますが、“you(あなた)”と言うことで、個人の問題にすり替えられる。でも私には「これって差別ちゃうん?」という悲しい気持ちが、じわじわと心に広がっていきました。
もちろん何を「差別」と捉えるかは、完全に受け手の感じ方によるところも多いと思います。私が「日本人なのに肌が黒いね」と言われても、「たしかにすぐ日焼けするしなあ」と思い、すぐさま「差別された!」とは感じないですが、同じ発言でも差別と受け取る方もいるでしょう。どちらが正しいという問題ではなく、個人の主観が大きく関わると思います。
同僚クルーが「つり目ジェスチャ―」
以前、あるクルーと、私が学生時代に文化人類学を専攻していたという話になりました。すると彼女は、目尻を両手で引き上げるジェスチャー(*)をして「文化人類学的には、アジア人がこういう目をしているのも何か理由があるの?」と言ったのです。
