2/3ページ目
この記事を1ページ目から読む
小さな独裁国家からすれば「中国はユートピア」
先崎 今、ロシアや中国がやっているのは、仲間と子分を増やす「物語」づくりです。実際、ロシアはすでにアフリカで相当の仲間をつくっている。仲間とは何も、心の底から信頼関係を築く必要はありません。たとえば、武器を輸出し、武力で政権を支える援助をおこなうことで、関係を深めていく。中国の一帯一路も同様の戦略に基づくものだと言えるでしょう。
落合 GDP(国内総生産)の総和だったら、まだ自由主義陣営が強いですけど、国の頭数となると、アフリカや中央アジアで覇権を握っている中国やロシアが強い。
先崎 2020年に中国が「香港国家安全維持法」を導入したとき、国連人権理事会で自由主義陣営を中心に27カ国が批判声明を出したのに対して、賛成を表明した国は53カ国もあった。倍近くの国が中国寄りなわけです。
中国みたいに資本主義で成功していて、かつ強権的に統治ができている国って、小さな独裁国家からすればユートピアですよね。「もはや参照すべきはアメリカでも日本でもなく中国だ」となってしまう。
こうした国際社会における羅針盤のなさと、国内における羅針盤のなさとがあいまって、様々な問題が顕在化しているというのが、現在の日本に対する私の見立てです。