NHKの連続テレビ小説「ばけばけ」に出演、ヘブン先生役でブレイク中のイギリス人俳優トミー・バストウさん。番組は3月27日に最終回を迎えますが、最終週の撮影真っ最中、トミーさんが大阪でのインタビューに応じてくれました。
前半では、来日してからの苦悩、「ばけばけ」による自身の変化について、日本語と英語をまじえながらお話しいただいています。『週刊文春WOMAN 2026春号』より、一部を抜粋の上ご紹介します。
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日本の最初の印象は「スバラシ国」
――日本に初めて来たのは?
22歳の頃。普通のツアーに参加しました。広島、東京、京都、大阪、高野山。10日間。
――最初はどんな印象でしたか?
「スバラシ国」だなあって(笑)。ヘブンさんと本当に同じ気持ち。日本語、まったくわからなかったけど。そのとき、東京よりも大阪が好きになりました。十何年後に住むとは想像できなかったけど。その後、24歳のとき、また日本に来ました。2回目は家族と。両親と、弟、妹、お兄さん。4人兄弟。僕は2番目。そのときは、日本語3年間勉強したあとだけど、まだまだ話せなかった。
――その後もまた日本に?
その2回だけ。そのあとは8年間、ずっとイギリスで日本語を勉強。コロナの時代はもっと時間がありまして、毎日6~8時間勉強。そして、『SHOGUN』のオーディションが来ました。覚悟、できておりました。
現場に行ったら日本語が「ま~ったく話せなかった」
――すごい!
だけど、自分は日本語が上手と勘違いしてた。オーディションしたときも「あ、日本語はペラペラ、大丈夫です。問題ない」って言ったけど、現場に行ったら、ま~ったく話せなかった。
(英語で)それまでは、1対1の先生と「昨日何を食べましたか?」みたいな会話しかしてなかったから、現場で10人くらいが一気に日本語で話し出すと、完全に置いていかれる。しかも僕、「日本語しゃべれます」って言っちゃってるじゃないですか(笑)。あれは人生でもかなりしんどい時期でした。
――そのときに、共演した二階堂ふみさんに相談して、光浦靖子さんを紹介してもらい、日本語の練習をするために交流を始めたと(注:『SHOGUN』の撮影はカナダで行われている)。
そうそう。語学エクスチェンジをしてました。
光浦靖子さんのエッセイにトミーさんが登場
――(光浦靖子さんのエッセイ集『ようやくカナダに行きまして』(文藝春秋)を見せて)この本、読みました?
あー、そうねえ、光浦さんの本。まだ読んでない。
――トミーさんの話が出てるんです。知ってました?
書かせてもらっていいですか? と聞かれたけど、内容が全然わからなかった。何を書くか教えてくれなかったし。
――ここに書いてあります(とトミーさんのくだりを見せる)。
オーケー。(本を音読し始める)「撮影中のドラマ『将軍』に宣教師役で出演しているイギリス人俳優がいて、彼は日本語を習いたいんだと。日本での俳優業も……」。えっと、この漢字は……。





