高3でウィッグをかぶり可愛い服装にチェンジ
――高3の夏休み明けからウィッグをつけるようになった経緯というのは。
あみ もともと、専門学校に入るタイミングでウィッグをかぶったらどうか、と父親が提案してくれて。それで、まずは休みの日に練習で着けてみたら、髪のある自分の姿がすごくしっくりきて。
頭が透けないという安心感もあって、卒業まで待てずに、夏休み明けから学校に着けていくことにして。ウィッグを着けていくことは、事前に学校側に伝えていたので、先生方も事情は知っていました。
――最初につけたのは、どんなウィッグでしたか。
あみ 黒髪のボブです。結んだりしなくてもいいし、パッとかぶってクシでとかせば整うので、一番楽なんです。
――初めてウィッグをかぶったときの気持ちはいかがでしたか。
あみ 鏡を見たときは、「可愛い」「似合っている」という気持ちよりも「やっと隠せた」「安心する」という思いのほうが大きかったです。「裸で歩いていたのが、やっと服を着られた」みたいな。ずっとコンプレックスだった薄い髪を隠すことができて、ほっとしました。
――ご家族の反応は?
あみ そんなに反応がなくて。「可愛い」とも「似合ってない」とも言われませんでした。でも、それがありがたかったですね。何か言われたら、逆に気になりますから。
学校の友だちは「いいね、似合ってるね」と言ってくれて、嬉しかったです。
――それは救われますよね。
あみ 一番良かったのは、周りに溶け込めたことです。当時は、制服姿に薄い髪で、すごく目立っていて。知らない人に指をさされて笑われたり、こそこそ言われたりしていました。
でもウィッグをかぶってからは、どこに行っても目立たないし、何も言われない。「ああ、普通の人ってこんな感じなんだ」って思いました。
――ウィッグをかぶってみて、大変だったことは?
あみ 体育の授業は怖かったですね。何も固定せずにただパッとかぶるだけでやっていたので、「どこまで動けるんだろう」と思いながら、ちょっと控えめに動いていました。
――ご自身の気持ちや行動に変化はありましたか。
あみ メイクをするようになりましたし、服装も変わりました。それまではカジュアルな服装が多かったけど、可愛い服を着てみたいと思って、ワンピースを着たり、カチューシャやヘアピンをつけたりするようになって。とにかく女の子になりたくて、可愛い服装をしていましたね。
撮影=深野未季/文藝春秋
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