友人の死が背中を押した

――以前からバイクに興味があったのですか?

黒木 イメージは最悪に近かったです。昔、母がスクーターに乗っていたとき自動車との衝突事故に遭って、頚椎を損傷する大怪我をしたことがありました。それ以来、家族の間で“バイクは触ってはいけない”ものになりました。夜遅く暴走族の騒音が聞こえることもあり、かなり印象が悪かったです。

©志水隆/文藝春秋

――それでも、「バイクに乗りたい」という直感に従ったのはなぜだったのでしょうか。

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黒木 その少し前に離婚をして、「何か新しいことをしたい」と思っていたんです。もう子育ても終わったし、「もし私の身に何かあっても、誰にも迷惑かからないかな」という気持ちもありました。

 もう1つは、「二輪に乗りたい」と言っていた友人の言葉を思い出したからです。友人とは、2013年の「ミセス・インターナショナル」というコンテストで出会いました。

 でも彼女は、数年前に癌で急逝してしまいました。「バイクに乗ってみたいね」と話していたときに、「どうして二輪の免許を取らないの?」と言われたことを、今でもよく覚えています。

 なんとなく先延ばしにしていることを見透かされたようで、ドキッとしたんです。当時、彼女は子育てで忙しかったのですが、私は、やろうと思えばできたはずでした。その時のことが心に残っていて、「やりたいことは、できるうちにやろう」と思い、免許を取りに行くことを決めました。

 しかし、年齢的に記憶力にはまったく自信がありませんでした。だから、逃げ道のない方法を選ぶことにしたんです。

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