オーディション会場に響いた「おっぱいを見せてください!」の声。若さの勢いでブラジャーを外した瞬間、会場はどよめいた――。のちに激動の80年代を席巻することになる女子大生のその後とは?

 作家・本橋信宏氏『歌舞伎町アンダーグラウンド』(新潮社)より一部抜粋でお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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優勝したのは⋯

 だが勢いというのか、若さというのか、80年代初頭という熱気がそうさせたのか、女子大生も自分でブラジャーを取った。

 オーッ!

 どよめき。

 静岡県立大学の女子大生の乳房は、出場者のなかでもっとも大きかった。まだ巨乳という言葉も一般化されなかった時代である。

 のちに彼女は「Dカップ京子」と呼ばれ、Dカップは大きな乳房の代名詞となるのだった。

 優勝者は看護師だったが、大事になっていくことに怖じ気づいたのか、当人が賞を辞退し、第2位のYが繰り上げデビューを果たした。

 Yは新婚夫婦がアメリカで銃撃され、のちに保険金殺人ではないかとマスコミが大報道したいわゆる「ロス疑惑」騒動に巻き込まれた。

 被害者の女性が殺害される前に、ホテルで何者かに殴打された事件があった。その加害者がYだったのである。コンテスト出場のとき、すでにYは殴打事件を起こしていたのだった。