滋賀県に住む友人から、「これ何だか分かりますか?」と写真を見せられた。写真には、草に覆われた石垣のようなものが写っている。

友人に見せられた謎の遺構

 5メートル四方ほどの大きさで、綺麗に石が積まれた構造物は、かなり年季が入っているように見える。以前は完全に草に埋もれていたが、最近になって草刈りされたことで発見したのだという。

友人に見せられた謎の遺構のアップ

 何らかの遺構と思われるが、文献を調べてもヒントが見つからず、全く想像もつかない。気になった私は、現地に行ってみることにした。

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石が積まれた高さ5メートルほどの“謎の遺構”

 滋賀県長浜市を流れる姉川の近くに、謎の遺構が鎮座していた。

とりあえず現地に行ってみた
草が枯れ、遺構が見えやすくなっていた

 石が積まれた高さ5メートルほどの構造物は、一部が崩れてしまっているが、堅牢な造りに見える。上部に2箇所丸い穴があり、下部には四角い取り出し口のような穴もある。

5メートル四方ほどの大きさがあり、背後はすぐ姉川の堤防だ
遺構の上部は堤防と同じ高さ

 下部の穴を観察してみると、大きな石板で塞がれていて、わずかなすき間だけが開いていた。

下部の穴は大部分が石で塞がれている

 現物を見ても正体が掴めなかったので、手始めにスマホで昔の航空写真を確認してみることにした。すると、最も古い昭和22年の航空写真に、既に謎の遺構らしきものが写っていた。

 昭和33年の写真も同じだったが、昭和45年になると姿を確認できなくなる。使われなくなり、草に飲まれたのだろう。

 このことから、昭和22年には既に存在し、昭和40年頃には使われなくなったと推測される。いずれも写真が不鮮明であるため判然としないが、周辺は田畑のようで、所々に円筒形のものが写っている。飼料の干し草をロール状に丸めた物かと思ったが、このあたりは牧場ではなさそう。干し草を栽培していたのだろうか。

 周辺の状況と昔の航空写真から、謎の構造物は姉川から取水するなどの利水に関係する施設か、あるいは肥料を貯めておくサイロのようなものではないかと想像した。