ドナルド・トランプ米大統領は、米軍に対して軍事作戦「壮大な怒り」(Operation Epic Fury)の開始を命令し、イスラエルと共にイランへの先制攻撃を実行した。大統領選で「戦争をしない」と公約していたことから、支持層からも大きな反発を招いている。

 そうした中、ホワイトハウスは戦争を讃歌する動画をSNSで次々に投稿。中には、日本のアニメ・ゲームの映像を無断で利用したものも——。今の現地の反応とは? 在米ライターの堂本かおる氏が寄稿した。(全2回の2回目/はじめから読む)

アメリカのトランプ大統領 ©CNP/時事通信フォト

 イラン戦争は今や迷走している。アメリカ市民は、トランプが戦争を終わらせる明確なプランを持っていないのではと訝っている。MAGA(※)インフルエンサーの離反、支持率の低下、そして、迫り来る中間選挙にトランプは焦っている。

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※MAGA=トランプ米大統領が掲げる政治スローガン「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」であり、トランプ氏の熱狂的な支持層の意味も持つ

“戦争賛歌”に『遊☆戯☆王』やポケモンが無断使用され…

 ホワイトハウス公式アカウントが戦争賛歌の動画やミームを大量に作り、ポストし始めたのは、その焦りが理由だと思われる。特にイランの女子小学校への爆撃が報じられ、世界が騒然とした3月の初頭には、ホワイトハウスは男性に人気のゲーム『グランド・セフト・オート』、NFL(アメフト)、メジャーリーグ、さらには『スポンジ・ボブ』の画像と爆撃実写を組み合わせた動画を集中的にポストしている(米時間3月5日〜6日)。その内容からターゲットは若い男性だと思われる。

 同日、「JUSTICE THE AMERICAN WAY.」(アメリカ流の正義)と題した、10本以上の映画やドラマのシーンをつないだ動画もポストされている。『アイアンマン』『トップガン』『グラデュエイター』『ブレイブハート』『スーパーマン』『ジョン・ウィック』『トランスフォーマー』『スター・ウォーズ』など、錚々たる映画の戦闘シーン、勇ましいヒーローの姿に実写の爆撃シーンを挟んだもので、最後は『遊☆戯☆王』で終わる。途中、唯一の実在の人物として、戦争省長官ピート・ヘグセスが登場する。

3月5日にポストされた動画には日本のアニメ『遊☆戯☆王』も使用され…(ホワイトハウス公式Xより)
アニメ『遊☆戯☆王』公式は「権利者の許諾なく使用されている投稿」と明言

 この動画に使われている俳優/声優のうち、ベン・スティラー(『トロピック・サンダー』)、スティーヴ・ダウンズ(『Halo』)は無断使用および戦争賛美に使われることへの反意を示している。