たとえばリポビタンDやアリナミンVには無水カフェインが入っています。他にも同様のカフェイン入り飲料はたくさんあります。

無水カフェインは薬品の成分としても登録されています。ですから、眠気覚ましや片頭痛の薬、かぜ薬や鼻炎薬、さらには乗物酔い止めの薬に入っていたりもします。

カフェインは食品から摂れる一方で、このように薬の成分として入れられていることもあります。それだけ私たちの生活に浸透しているともいえるでしょう。

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カフェイン習慣は、カフェイン入り飲料そのものだけに目を向ければいいわけでもありません。たとえばコーヒーに砂糖を入れる方も少なくないと思います。砂糖を入れると苦みが和らぎ、飲みやすくなりますよね。

この感覚は、マウスも同じようです。一つ、私たちのグループが行った、ある研究での裏話から紹介しましょう。

実験マウスは“砂糖入り”なら飲んでくれた

そのとき私は、カフェインが体内時計に与える影響を調べるために、マウスを用いた実験を考えていました。具体的には、カフェイン入りの水をマウスに与える。そして、活動の変化を観察するというものです。

ところが、実験の最初からつまずきました。カフェインは苦味があるので、マウスが飲みたがらなかったんですね。

「マウスがカフェイン水を飲んでくれなくて……」

私のぼやきに、研究仲間がぼそっとつぶやきました。

「砂糖を混ぜてみたら?」

なるほどなと思いました。たしかに私たち人間もコーヒーに砂糖を入れて飲んでいる。エナジードリンクには甘味がつけられている。そこで甘いカフェイン水をマウスに与えるという研究方法をとることにしました。砂糖、または人工甘味料で甘味をつけ、マウスに一定期間与えました。

するとどうでしょう。甘いカフェインを与えたマウスは体内時計が遅れ、夜行性だった行動が昼行性へと逆転していくという結果が表れました。(図表1)

「甘味のあるカフェインが体内時計の針を動かしたのではないか」ということです。ただし実験では、甘味によってマウスが飲むカフェイン水が増えたわけではありませんでした。飲みやすくはなったけれど、飲む量は変化しなかった。ですからカフェインと甘味が合わさったことでの作用とも考えられます。