三浦の並外れた柔軟性
前出のパトリック氏は、
「2人のアスリートとしての肉体を過小評価してはなりません。特に璃来は、並外れた柔軟性を持っているからこそ、スケーティングやリフトの際の負荷をコントロールするため、筋力が求められるのです」
怪我などによる好不調の波はあったが、着実に結果も出していった。22年の北京五輪では、団体初の銀メダルに貢献。22–23シーズンには世界選手権、4大陸選手権、グランプリファイナルで優勝。年間グランドスラムを達成した。
フリーの衣装は約60時間かけて
ミラノ五輪に臨むにあたっては衣装にもこだわった。フリーの衣装を手掛けた、カナダ人デザイナーのマシュー・キャロン氏が明かす。
「龍一は着心地と動きやすさを重視して、七分袖を好みました。璃来はノースリーブのデザインが、一番スケートがしやすいと言っていた。そして目指したのは、2人のルックスが同じに見えることなく、繋がりを感じさせること。龍一の衣装は約30時間で完成しましたが、璃来の衣装は細かい石留めとカスタムプリント、ペイント作業などで約60時間かかりました」
ミラノへ旅立つ直前、診療所を訪れた2人に、青嶋氏はこう声をかけたという。
「金メダル獲っちゃったら、持ってきてね!」
そして世界一の座を掴み取った2人。日本のみならず、世界でも「つきあってるの?」と、“りくりゅうフィーバー”は過熱しているが、本田武史氏(ソルトレイクシティ五輪日本代表)が言う。
「今度会ったら聞いてみようかと思っていました(笑)。でも、それだけ近い距離にいる、それくらい信頼関係が見えているというのが、ペアにとって一番必要なことなのかなと思いました」
今後、ペアはどうしていくのだろうか。
「ブルーノは、『オリンピックが終わるまではその話は一切しない』と言っていました。龍一も30代と言ってもまだ戦えるし、璃来も若い。ただ、龍一が先に引退しても、璃来はパートナーは『彼以外にはいない』と思っているのではないでしょうか」(同前)
深い絆で結ばれた2人の生活は、これからも続いていく。
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