“生肉ドレス”、アルマーニ…衝撃的だった衣装の数々

 衣装をめぐっては、生の牛肉でつくったドレスが動物愛護団体から批判を受けるなど、たびたび物議も醸したが、それさえ彼女には楽しみの一部であり、《私はいつも、ユーモアがにじみ出るような洋服を選ぶようにしているのよ。セクシーさとか、魅力的になることを求めているのじゃなくて、ユーモアと、それを楽しむことが重要なの》と話していた(『FRIDAY』2011年8月19・26日号)。

2011年『徹子の部屋』出演時は真っ黒な“玉ねぎドレス”で登場(レディー・ガガ日本公式Xより)

 2010年のグラミー賞の授賞式には、イタリア・ファッション界の巨匠ジョルジオ・アルマーニの手がけたドレスで出席した。それは、ガガの体のまわりで無数の惑星が周回軌道を描くかのようなデザインだった。アルマーニはそれまで一貫して抑制の利いたデザインを披露してきただけに、ガガの斬新な衣装が彼の作品だと伝えられると、ファッション業界には衝撃が走ったという。

2010年グラミー賞のレッドカーペット。ジョルジオ・アルマーニが手掛けたドレスで登場 ©AFP=時事

 巨匠に活力を与えるだけでなく、世界各国の若い才能にも常にチェックを怠らない。#1の冒頭に挙げた東日本大震災直後の来日時には、デザイナーになってまだ2年だった森川マサノリがコンペへの参加を求められ、東北の復興を牽引するジャンヌ・ダルクにガガのイメージを重ねたエナメルの「甲冑ドレス」を提案して採用されている。

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“名声は与えられるものではなく自分から奪い取るもの”

 デビューアルバムのタイトルに「フェイム(名声)」と掲げたガガは、ブレイク当時、《私にとっての“名声”は、パパラッチに追われることとなんの関係もない。ニューヨークのアート界と、そのハングリー精神と、夢を糧にした生活を通じて、“名声は与えられるものではなく自分から奪い取るもの”と学んだの。自分をほかの人たちから切り離して強い自意識を確立し、そして“彼女が誰なのか知らない。でも知りたい!”と人々に思わせるの。それが私の“ザ・フェイム”なのよ》と豪語している(『エル・ジャポン』2009年6月号)。

2017年、スーパーボウルハーフタイムショーでのパフォーマンス ©getty

 しかし、有名になったことで失ったものもけっして少なくなかった。その後のインタビューでは、有名でいることに慣れることができず、毎日がショックの連続だと明かしたうえ、《その立場に対処するために、私はそれを受け入れる方法を見つけなければならなかった。最終的には有名でいることに感謝することにしたの。これが私にとっての天職なのだと自分に言い聞かせた。多くの人が自分の音楽を聴いてくれると意識している。自分の音楽によって人が結ばれてほしいと思う。音楽にこめた愛で人々を触発したいと》と語った(『AERA』2016年10月31日号)。