お笑い芸人の渡辺直美が、きょう10月23日、38歳の誕生日を迎えた。2021年よりアメリカ・ニューヨークを拠点に活動する渡辺は、今年(2025年)6月に日本で13年ぶりに単独コントライブを開催、その千秋楽終演後には、芸歴20年目を迎える来年の2月11日に東京ドームで単独ライブを開催すると自身のInstagramで発表した。東京ドームでは昨年、お笑いコンビのオードリーがライブを開催したが、ピン芸人では渡辺が史上初になるという。
『さんまのまんま』で披露したビヨンセのモノマネでブレイク
振り返れば、彼女のブレイクのきっかけはビヨンセのモノマネだった。ビヨンセが映画『ドリームガール』で歌った曲に合わせ、表情豊かに口パクしながら体を自在にくねらせる姿は衝撃で、大いに笑わせてもらった。
渡辺はこの芸を2008年1月、今田耕司のイチオシ芸人として出演した『さんまのまんま』(関西テレビ・フジテレビ系)の新春特番で披露し、一躍世間に知られることになった。その2ヵ月後には平日昼の帯番組『笑っていいとも!』(フジテレビ系)にアシスタント役の「いいとも少女隊」としてレギュラー出演が決まったのをはじめ、多くの番組から引っ張りだことなる。前年にデビューしたばかりで、まだ20歳の若さだった。しかし、そこにいたるまでにちゃんと苦労もしてきた。
渡辺は、台湾出身の母親に女手一つで育てられた。彼女も台湾で生まれたが、育ったのは茨城県である。子供の頃、夜遅くまで外で稼ぐ母が帰宅するのを待つあいだは、テレビが家族代わりで、お笑い芸人に元気をもらっていたという。
中学卒業後、アルバイトでお金を貯めてNSCに
中学時代、仲間内でこっそり学校の先生たちのモノマネをしていたところ、担任がどこで知ったのか、ある日、授業中に突然、クラスメイトの前でモノマネをやるよう無茶ぶりしてきた。だが、いざやってみると結構ウケて自信がつき、芸人を目指すきっかけになったという。
中学を卒業してから3年間、アルバイトでお金を貯め、2006年にNSC(吉本総合芸能学院)東京校に12期生として入学する。バイト先のファミレスでは賄いを食べすぎ、3ヵ月で体重が25キロ増え、ぽっちゃり体型になっていた。のちにそれが武器になるのだが、当時はコンプレックスでしかなかったという。以前は好きだったおしゃれも、太った自分にそれをする資格はないと思うと、興味がなくなってしまった。
NSCではコンビを組み、渡辺がツッコミ役でコントをやっていたが、最初の相方は途中で学校を辞めてしまい、同時期に解散したコンビから新たな相方を迎える。積極的にネタ見せしているといろんな選抜にも入れてもらえ、NSCも無事に卒業もできた。卒業後も若手ライブに出演していたものの、1年目の夏ぐらいに相方から切り出されてコンビを解散。そのころ、渡辺はピンでもライブに出ており、あるライブのオーディションで初めて披露したビヨンセのモノマネが先輩芸人のピースの綾部祐二の目に留まって、褒められたりしたことが、相方には気に入らなかったらしい。


