アーティストのなかには、いきなり有名になったことで状況が一変したために、精神のバランスを崩してアルコールや薬物依存に陥るケースも目立つ。こうした現実も念頭に置いて、ガガは2012年に若者支援のための「ボーン・ディス・ウェイ基金」を設け、精神の健康に注意を払おうと呼びかけながら、人々がお互いに助け合う精神を養っていくことを目指す運動を進めている。
「普通」「もうゲームしないのか?」と批判され…
2018年には映画『アリー/スター誕生』で監督も務めたブラッドリー・クーパーとW主演し、2人で歌った劇中歌「シャロウ~『アリー/スター誕生』 愛のうた」はアカデミー賞の歌曲賞やゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞した。
ただ、この映画への出演や2016年発表のアルバム『ジョアン』は、それまでのガガの尖ったイメージとは趣向を異にしたため、「究極に普通」「彼女はなんでゲームをもうしないのか?」などと批判もあったという。彼女はそうした声に対して、《以前は“偽り”と見なされていた私の姿が、今では人々にとっての“ガガらしさ”なんです。でも、一番本物の自分は、とにかく十分な表現ができた時です》と、人々が自分に抱くイメージの変化をむしろ面白がった。
音楽活動への苦悩、病気も公表
これは昨年のインタビュー(『THE BIG ISSUE』2025年6月15日号)での発言だ。同じインタビューでは、《若い頃は音楽業界に人生を支配されていました。自分自身からすごく遠ざかってしまって、たくさんのことに耐えなければならなかったし、(中略)自信がもてるようになるまでには時間がかかりました》、《ビジネスの舵を自分で握るまでに20年かかりました》とも明かしている。
彼女が支配されていたのは音楽業界ばかりではなかった。2017年には全身に激しい痛みが生じる線維筋痛症に苦しんでいることを公表、翌年2月には治療のため、一旦は延期したワールドツアーの一部公演をキャンセルせざるをえなかった。上記のインタビューではその後の症状の経過を訊かれ、《かなりコントロールできています。長い間、人生を支配されていましたが、今では95%は回復しました。痛みがある日はまだありますが、すごくまれです》と答えている。

