「タダ同然で2500万円のマンションが手に入る」「毎月3000円儲かる」――。

 元同僚の甘い言葉に乗せられ、東京都内のワンルームマンション投資を始めた30代男性。しかし、ふたを開けてみれば固定資産税や修繕積立金などで年間145万円の出費がかさみ、毎月赤字を垂れ流す事態に。男性は厳しい現実にどう対処したのか。

人はこんなことで破産してしまうのか! 推し活、ペット、不倫、介護、投資……普通の人でもハマる落とし穴』(三笠書房)の一部を抜粋して紹介する。

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写真はイメージ ©graphica/イメージマート

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元同僚の甘い言葉

「タダ同然で2500万円のマンションが君のものになるよ!」――。

 千葉県船橋市に住む30代男性は、元同僚と酒を飲んでいるとき、そう言われた。その男性は、今は転職し、不動産会社に勤めている人間であった。

「そんなうまい話はないよ」と返すと、彼はこう言うのだった。

「ほんとだって。不動産があれば、老後も安心だし、節税対策にもなる。まじで、今度話だけでも聞いてよ」

 最近は「老後の資金は2000万円必要」といったニュースも多く目にする。

 それもあり、男性は後日、再び元同僚に会うことにした。

 その物件は、東京都板橋区の私鉄の駅から徒歩10分のエリアにある、23平米の築浅のワンルームマンションであった。そのマンションの前で、こう言われた。

 「このマンションを人に貸すんだよ。想定家賃は8万7000円程度。35年ローンで、年率2.12%。返済額は8万4000円程度で、毎月3000円程度儲かることになる。それでいて35年後には、自分のものになるんだよ!」

 このセールストークに、もともとマネーリテラシーの低かった男性は「タダ同然で、マンションをゲットか!」と、舞い上がった。そして購入した。

ふたを開けたら、赤字のたれ流し

 さて契約後、「話が違う」ことのオンパレードとなる。こうした物件は、毎月経費が発生する。たいてい、そんな情報は資料に小さく書かれているのみだ。

 年間で、固定資産税10万円、修繕積立費と管理費が18万円、ローン返済金が101万円、火災保険料が6万円、サブリース手数料が家賃の10%である。

 つまり、年間145万円ほどの出費となり、家賃収入から差し引いて、毎月3万円程度の手出しとなったのだ。