その年の4月、父親は突然、脳梗塞で倒れてしまい、あっという間に亡くなってしまう。悲しみに暮れながら、葬儀を無事終わらせた後、父親の社会保険や年金関係の手続き、生保・損保の手続きなどを行うと、男性は4か月間の海外勤務を命じられる。帰国後、男性は相続税の申告手続きに入る。

 相続税の対象になるのは、金銭に換算されるものすべてだが、父親にあったのは、ほぼ不動産のみ。これらの財産は、ただ金額ベースで計算するのではなく、「相続税の評価額」に計算し直す必要がある。この不動産は1億5000万円の評価額だった。男性と音信不通の姉とで、1人1840万円の税額となった。

 男性は真っ青になった。調子に乗って散財してしまったため、相続税を支払うだけの貯金はなくなっていた。とはいえ、相続放棄はしたくなかった。不動産情報サイトを見ると、実家の土地の取引価格は1億円以上になることが確実だったからだ。相続放棄すれば、そのすべてを失うことになる。

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 男性は親戚中に「家を売却できれば1.5倍にして返すから」と懇願し、何とかお金を調達し、相続税を支払うことができた。

写真はイメージ ©mapo/イメージマート

 なお、相続税法では「相続税について、各相続人がお互いに連帯して納付しなければならない」というルールを定めている。これを連帯納付義務という。しかし、司法書士に相談すると「実務的には税務署が他人(姉)の分まで納税を求めることはない」と言われた。実際、税務署からは何も言われなかった。

姉を探し出さないと、家は売れない!

 相続税を支払った後、男性は、行方不明の姉の居場所を探し出すことに躍起になっている。複数の探偵も雇っている。不動産を売るためには「所有権移転登記(不動産登記)」が必要であり、そのためには、姉の直筆の署名と押印がなされた「遺産分割協議書」を作成しなくてはならないからだ。姉の分の相続税の支払いを求める必要もある。

 しかしながら2年経過した今も、姉の居場所は不明なままだ。高い固定資産税や親戚への借金返済が続く中、貯蓄はゼロの状態だ。男性は焦りを感じている。

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