プーチンまで姿を見せた“戦勝記念イベント”
それは、1944年6月の「ノルマンディー上陸作戦」から70周年を迎えた、2014年のフランスのノルマンディー地方でのこと。訪問の目的は、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典と、それに関連したイベントを取材するためであった。
式典には前の大戦の戦勝国・フランスのオランド大統領はもちろん、オバマ米大統領から英国女王、皇太子夫妻を始めヨーロッパ王族も勢ぞろい。さらに豪加など実際の戦闘に参加した英連邦諸国に、ポーランドとチェコ等からも国家元首が参列していた。
そして驚くべきことに、なぜか作戦に参加していないロシアのプーチン大統領や、ウクライナのポロシェンコ前大統領も集結。この式典の直前には「クリミア危機」が勃発し、ウクライナはその領土の一部であるクリミア半島をプーチンに奪われている。
そのうえ、当時の連合国にとっての敵国である、ドイツのメルケル首相まで招かれていた。呼ぶ方も呼ぶ方やが、来る方も来る方である。
そんな連合国のVIPより大量に来ていたのが、世界中のミリタリーオタクである。敵国だったドイツをはじめ、さらに旧ユーゴからも集結。100km以上に渡るノルマンディー海岸一帯が、オタクで埋め尽くされていたのである。
のどかな農村のあちこちで“異様な光景”
普段は静かな村々に、当時のM4シャーマン戦車、ジープ、ハーフトラックが走り回るという異様な光景。当時の格好をした米兵を乗せて走り回り、渋滞まで引き起こしてるのである。普段は馬車がたまに通り過ぎるだけの農道が、1944年のパリ解放への道になってしまうのである。
車両だけではない。現役・退役の米英軍将兵らが、大戦当時の第82空挺師団、第101空挺師団の軍服や戦闘服に身を包んで登場。さらに、「コンバット!」のサンダース軍曹や『プライベート・ライアン』のミラー大尉が手にしていたトンプソン・サブマシンガンやM1カービン銃など、大戦当時の武器で身を固めたオタクが、町を大手を振って闊歩しているのである。
草むらにM1ガーランド・ライフルを構えたスナイパーが潜んでいても、警察官は微笑む始末。すこし先の式典会場にはアメリカ大統領や英国女王をはじめ、ヨーロッパ中のVIPが集結しているのにである。
もちろん、実際の弾は出ない無可動銃かエアガンやと思うが、どう見ても本物っぽい見た目である。このイベントの直後、パリなどで頻発したイスラム過激派ゲリラによるテロ事件のせいで、本物(に見える銃器)は自粛されたらしいが……。



