高市首相は「私も事務所側もどのようなものか知らされておりません」と国民に説明してきたサナエトークン。疑惑の暗号資産とは何だったのか――。

 現在配信中の「週刊文春 電子版」および4月2日(木)発売の「週刊文春」より一部を抜粋してお届けする。

高市首相の投稿がきっかけで大きな騒ぎとなったサナエトークン(本人Xより)

 一連の経緯を振り返ろう。サナエトークンとは、今年2月に発表された暗号資産(仮想通貨)だ。いま、世界的に「ミームコイン」と呼ばれる、ネット上の流行等をモチーフにした投機性の強い暗号資産が増えている。政治家の名を冠したものもあり、米トランプ大統領自身が「公式」と謳う「TRUMP」通貨もある。

サナエトークンHPより

新たなインセンティブ設計

 サナエトークンもそんなミームコインの一種だ。発行者は「合同会社NoBorderDAO」(東京都港区)。同社を率いる1人で、有名実業家の溝口勇児氏(41)によるYouTubeチャンネル「NoBorder」のプロジェクトの一環だった。

 衆院選で自民が圧勝してから17日後の2月25日、初値0.1円相当で流通開始。買いが殺到し、その日のうちに40倍を超える約4.2円まで値上がった。その後も約2円程度で推移し、時価総額は数十億円に膨らんだ。

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 注目には理由がある。流通開始の日、高市首相の公認後援会のXアカウント「チームサナエが日本を変える」(以下、「チームサナエ」)が次のように投稿し、トークンを紹介したのだ。

「民主主義をアップデートし、最先端テクノロジーで国民の声を政治へ届ける挑戦です。コミュニティ提案により実現した『SANAE TOKEN』という新たなインセンティブ設計も注目されています」

金融庁が「実態把握に乗り出す」

 後援会の「お墨付き」に加え、溝口氏も番組で「高市さんサイドとはコミュニケーションを取らせていただいて」と述べ、高市首相周辺の関与をアピールした。