結婚→スピード離婚→また結婚

「浩二が2回目の控訴取り下げをして、今度こそ死刑が確定するという状況になった中、『俺には時間がない』と結婚を求めてきたんです。社会に相手にされず、人生の大半を刑務所で過ごした浩二の境遇は自分と似ていて、放っておけないと思ったんです」

 そんな思いで家族の反対を押し切り結婚したが、心が離れるまでは早かったという。

「浩二は手紙に男女の性器の絵ばかり描いてくるんです。しかも、リアルに描くからグロいんです。たまに事件について書いてきた時には、被害者の2人が夢に出てきて、友達のように仲良くしているなどと書いていた。『被害者のためにも自分は幸せにならないといけない』と言うなど、考え方におかしいところがありました」

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©片岡健

 山田への嫌悪感が募る中、睦子さんは実母が亡くなる不幸があった。その時に許せないことがあったという。

「母の死を浩二に手紙で伝えたら、返事の1、2枚目は『ご愁傷様です』『元気出してください』みたいな綺麗事を書いていました。でも、3枚目以降は下ネタやテレビの話が書かれていたんです」

 怒った睦子さんはついに離婚に踏み切った。山田は死刑確定後、報道で「水海浩二死刑囚」として登場していたのに、途中から「溝上浩二死刑囚」になった。それは睦子さんと離婚後、養子縁組していた養母の女性の姓に改めたためだったのだ。

 こうして山田との結婚生活を終えた睦子さんだが、その後にもう1人、死刑判決を受けた被告人と結婚している。その被告人は、山田(旧姓・松井)広志(49)。名古屋市で2017年、80代の夫婦を刺殺して財布を奪い、強盗殺人の罪により死刑判決を受けたが、獄中ですい臓ガンに侵され、裁判中に余命宣告されていた人物だ。

次の記事に続く 死刑囚と“獄中結婚”→スピード離婚→また別の死刑囚と結婚・死別…過去10回刑務所に入った女性が明かす、夫の最期「最後まで罪と向き合っていた」