外国人攻撃を掲げる国政政党

 さらに7月の参院選では、参政党が「日本人ファースト」を掲げ、外国人へのあからさまな攻撃を開始。国民の支持が高いとみるや自民党、国民民主党、日本維新の会などもあからさまな外国人攻撃を掲げ、街角でも、ネット空間でも、外国人を非難する声があふれた。

 とりわけ在留資格がない外国人を排斥しようとする政治家の主張、ネット上の書き込みが急増し、中でもクルド人に非難の矛先が向いた。

「外国人への生活保護の停止」など排外的な公約を掲げた参政党が大躍進する結果で参院選が終わると、入管庁は外国人取り締まり厳格化への「お墨付き」を得たかのように「ゼロプラン」を実践に移し、在留資格のない人々を次々に強制送還し始めた。強制送還の事実が明らかになるたび、SNSでは「入管庁ちゃんと仕事している」など入管庁を称賛する書き込みが続いた。

ADVERTISEMENT

 入管庁が2025年10月に公表したゼロプランの実施状況によると、プラン公表後の6月から8月の3ヵ月で護送官付きで強制送還したのは119人。国別ではトルコ国籍が34人で最多。次に多いスリランカの17人を大きく引き離した。トルコ国籍のほとんどはクルド人とみられ、ゼロプランはクルド人を標的にしている状況が鮮明になった。

 ヘイトスピーチが強制送還を後押しし、強制送還がヘイトスピーチに拍車をかける――。ヘイトと国策による送還の相乗効果で日本人の排外主義的な感情はエスカレートし、クルド人への攻撃は嵐のように激しくなった。

 クルドの子どもたちにとっても「最悪の夏休み」(あるクルドの中学生の言葉)となった25年の7月と8月。この期間、日本で長年育ってきたクルドの子どもたちは何を経験し、何を感じていたのだろうか――。