世界各国が「PFAS規制」を進める中、日本は…
世界各国はPFAS規制を急速に強化している。飲み水について、アメリカはPFOS・PFOAそれぞれ1リットルあたり4ナノグラムが上限。ドイツは4種類の合計で20ナノグラム、デンマークは4種類合計で2ナノグラム。それらに比べ、日本はPFOSとPFOAの2物質合計で50ナノグラムと規制が圧倒的に緩い。
諸永氏は取材の中である事実にたどり着いた。食品安全委員会のもとに設置された専門家によるPFASワーキンググループは、公開された会議が9回。しかしその裏で24回もの非公開の会合が開かれていたという。「実質的なリスク評価はそこで行われていた」と諸永氏は指摘する。情報公開請求に対して、議事録は「作っていません」、資料は「一部存在していません」という回答が返ってきたという。
「ブラックボックスの中で決められた、この摂取量をもとに飲み水の基準が決められました。極めて緩い値にもかかわらず、国は『健康への影響はない』と言っていますけれども、根拠が示されないなかでそれを信頼できるかというと難しい」
アメリカでは大手化学メーカー3Mの工場近くに住む女性が21歳を前にがんで亡くなり、その訴えが規制強化の転換点となった。欧州ではPFASを一括規制する法案が今年末にも可決する見通しだ。日本では経団連が「経済社会への影響に対する適切な考慮が必要」として、あらゆるPFASを対象に規制することに反対している。諸永氏は、製造過程でPFASが不可欠な半導体産業や自動車産業への影響からか「健康より経済を優先しているのが現状だ」と語った。

