「私でも受け入れてくれるんじゃないか」母親の殺害を認めた理由

──もういっぺん聞くで。いまになってお母さんを殺したことを認めようと思ったんはなんで。

「その判決を聞いて、それで真摯に罪と向き合うのはどういうことかなって考えたときに、その判決のなかで母の死因は不明なんですけれども、殺害方法が間違ってるので、それをきちんと話をして、自分の罪をちゃんと明らかにすることかなと思ったんですけれども、判決を聞いた時点で、そう思ったんですけど、まだ勇気が持てなかったんです。

 でも、すぐに、判決の後に父が差し入れと面会に来てくれて、無罪になると思ってなかったって父が言っていたんですけれども、その言葉を聞いたときに、ひょっとしたら、父は母を殺害した私でも受け入れてくれるんじゃないかなっていう風に思って、勇気を得て、あと、他人でしかも短い時間で、裁判官や裁判員に私と母の苦しみを理解してもらえるような献身的な弁護活動をしてくださった弁護士さんたちをそのまま大阪に来てもらえるように父はしてくれたので、これはもう、ちゃんと言わなければと思って、弁護士さんに言いました」

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──それで。最初に僕らにお母さんを殺したことを認めてくれたんやな。

「はい、そうです」

写真はイメージ ©Paylessimages/イメージマート

「手紙とかも毎月ちゃんとくれる」支えてくれている父への思い

──あなたが殺人について認めたということをお伝えしてるんだけれども、お父さんがどんなことをしてくれてる、いまでも。

「毎月毎月、何不自由なく暮らしていけるだけの、すごく細やかな差し入れとか、あとは手紙を送ってくれたり、本を差し入れてくれたりして、心身ともに、すごく手厚く支えてくれています」

──あなたは、お父さんが大阪拘置所に来て、面会することをいままで断ってたやんか。

「はい。コロナということもありますし、大阪まではとても遠いので、たぶん車で片道2時間ぐらいかかると思うので、あとコロナの影響もあって、大阪拘置所では普通の面会時間が15分で、その15分のために往復4時間使ってしかも高速代とかかかりますし、あまりにも忍びないので、もう手紙だけで、もちろん送料とかはかかるんですけど、高速代に比べたら安いんで、だからもう断ってます」

──あなたのほうからお父さんに気を遣って来ないでくれと言ってるんやな。

「はい。ただもう手紙とかも毎月ちゃんとくれるので、もうそれで、私はもう十分支えられています」

──お父さんはあなたがお母さんを殺したことを前提にしても、引き続き、あなたの面倒を見てもいいと仰ってるんだけど、どう思う。

「ほんとにありがたくて、ありがたいのと感謝と、それからこんなに父が細やかに、しっかり継続して、力強く支えてくれるって思ってなかったので、父が先ほど証言でも言ってたように、ひょっとしたら相談してたら、違った形になってたんじゃないかなっていう後悔の気持ちもあります」