3月末は改編により番組が終わる季節。毎回様々なジャンルの3人(時に4人)が集まり、台本はもちろん進行役もなしでトークする『ボクらの時代』(フジテレビ)や、動物をMCに仕立ててやりたい放題な企画をしていた『人間研究所』(中京テレビ/日本テレビ)など、なんだか他にはない個性的な番組から終わっていく錯覚を覚えてしまう。『有吉ジャポン』もそうだ。
番組が始まったのは2012年。タイトルが示すとおり『サンデージャポン』の深夜版的な位置づけで「深夜ならではのディープで骨太な情報番組」を標榜していた。ちょっとエッチなスポットやアングラカルチャーを紹介する番組は、1965年に始まった『11PM』(日本テレビ)以降、深夜番組の定番だったが、『トゥナイト2』(テレビ朝日)が2002年に終了すると、その種のレギュラー番組はほとんどなくなっていたため、その系譜を継ぐ番組としてとても貴重だった。
だが、2020年に『有吉ジャポンⅡ ジロジロ有吉』とリニューアル。主に女性芸人が「興味はあるが、はじめ方が分からない」ものに挑戦する企画が主流になっていった。それでもリニューアル前から名物企画だったゲイバー「ひげガール」の“ドキュメント”や、「変態」と呼ばれる人たちが集まる「フェチフェス」などのアングラカルチャーを紹介する回も時折放送されていた。「フェチフェス」の変態たちに共感できない表情を見せたパネラーに司会の有吉弘行が「ノーマルな人生ってどっかでつまずくよ」と諭した言葉が妙に印象に残っている。
最終回ではリニューアル前の映像を多く振り返り、「この頃でもテレビ厳しくなったなあって言いながらやってたけど、まだ緩いね」と有吉は笑っていたが、確かにこの13年間で良くも悪くも急速に厳しくなったように感じる。また、それ以上に“わけのわからない人たち”が出る場はほとんどなくなった。この番組には以前、パンク町田、佐々木チワワ、バーレスク東京の社長・内藤良太、「渋谷の黒豹」と呼ばれた大谷秀政、「ひげガール」の面々……芸人とは全く違う視点や価値観を持つ人たちがフラットに集まっていた。そんなごちゃまぜ感こそがテレビの良さだ。その象徴的存在が初期のレギュラーだった『GQ JAPAN』編集長(当時)の鈴木正文。有吉は散々「ハゲ」イジりをしつつも、「編集長のボソッと言ったことを私の人生の指針にしてる」とリスペクトしていた。最終回に寄せて鈴木は「いい加減なところが大事。これからも雑にやってください」という言葉を送っていた。やはり『有吉ジャポン』のような番組は終わってほしくなかった。「いい」加減の「雑」さこそ、テレビを豊かにするはずだから。
『有吉ジャポンII ジロジロ有吉』
TBS 土 24:58~
https://www.tbs.co.jp/jiroari/



