岬の突端にありえない崖っぷち

 ここからいよいよ山上の尾根を目指して徐々に登ってゆく。すると、いかにも山城らしいものが目の前に現れた。敵の侵攻をはばむ切岸(きりぎし)である。

真正面にそびえる切岸
切岸を横から見ると急角度がよくわかる

 ほとんど自然地形のままか、あるいは人工的に削っているのか。いずれにせよ、これだけの角度と落差があれば、迫り来る敵を防ぐに十二分だ。

 登山道も折れ曲がる形になっている。頭上の尾根に守備兵をズラリと配置すれば、かなり強固な防衛ラインになりそうだ。

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 山道を登り切ると、広く平坦な地形に出る。岬の突端にあるのは、「月見御殿」と名付けられた曲輪(くるわ)。先ほどの鴎ヶ崎からの比高は50m近くで、麓からだと約90m。この曲輪が城内で最高所にあたる。

月見御殿。徐々に幅が狭まり、先端部のみ一段高い

 先端まで足を運ぶと、その光景に思わず足がすくんでしまう。麓からの比高90m、なんとそれがほぼ垂直だ。崖っぷちの柵には「この付近の傾斜面にてがけ崩れが発生しました」の張り紙。シャレにならない。

月見御殿の最先端より北の眺望

 それはともかく、海陸ともに眺望よし。そして断崖で絶対に攻められない。最高の出丸の条件を備えている。