大河ドラマ『篤姫』『Dr.コトー診療所』などの音楽を手がけた作曲家・吉俣良さんは、かねてより作曲家エンニオ・モリコーネに私淑してきた。そしてついに9月、モリコーネの録音に欠かせないローマ・イタリア管弦楽団と共演することに。公演では、自作と外国映画の名曲を奏でる。

吉俣良さん

「日本のオーケストラは『吉俣さんの音楽を僕たちで再現してあげますよ』という姿勢で、僕が書いた譜面通り、余計なことをせずに、指揮者の指示に従って、見事に演奏してくれるんですね。ところが、彼らとリハをやって驚いたのは、譜面をそのまま再現するというよりも『あなたの音楽を、僕らと一緒に奏でましょう』という姿勢だったこと。演奏者が譜面を見ながら、『こっちのほうがいいんじゃない?』なんて意見を、積極的に投げかけてくれるんです」

 そのアプローチにより、“ヨーロッパ人にしか出せない独特の匂い”が生まれるという。

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「曲そのものが大きく変わることはないんですが、演奏によって醸し出されるムードが独特で、特に弦の音色が違って聴こえます。僕が書いた『篤姫』や『江』が、彼らイタリア人によってどう奏でられ、観客の耳に届くのか、今回の公演は僕自身が誰より楽しみにしています」

 吉俣さんが、神と崇めるモリコーネお抱えの奏者たちが、日本人作曲家の書いた楽曲をどう解釈し、会場に響かせるのか、期待は高まる。

INFORMATION

ローマ・イタリア管弦楽団 Produced by 吉俣良
~ドラマ・映画音楽の世界~
9月1日(土)鹿児島、9月8日(土)東京、9月9日(日)つくば公演が開催。
詳細は吉俣良オフィシャルウェブサイトにて
http://www.yoshimataryo.com/