『八日目の蟬』で永作さんが演じたのは、不倫相手との子を堕胎した絶望感から、魔が差してその男と本妻の赤子を誘拐し、4年間もの間、母親だと偽って育て続けるという役柄。
この映画での永作さんの演技は「すさまじい」の一言に尽きます。
冒頭は誘拐犯として捕まった裁判シーンから始まるのですが、法廷に立ち淡々と供述するものの謝罪の言葉は一切述べないという、静かなる狂気をまとった姿を怪演。
ただし、終盤の刑事に捕まり娘と引き離されるシーンで、「その子は! まだご飯を食べていません。よろしくお願いします」と訴える姿は、“母親”そのものなのです。
永作さんが演じた女が犯罪者であることは事実で、偽の母であることも事実なのですが、エンディングを迎えたときには、彼女は紛れもなく母だったのだと思わされるという圧巻の演技でした。
“奇跡の50代”→等身大の“かわいい50代”へ
『時すでにおスシ!?』の放送開始に先駆けて、4月6日に「MANTANWEB」で公開された永作さん・松山さんの対談インタビューのなかで、永作さんは松山さんとの再共演について、次のように語っていました。
〈見るたびに松山さんが、本当にいろいろな役を演じられているので、どんどん松山さんが変わっていくと思いながら拝見していたんです。でも今回会ってみたら、ニヤニヤしながら寄ってくる松山さんがいて、当時と何も変わってないなと思いながら、ちょっとうれしくなりました。話し出すとそのままですし、またいい関係が作れそうな気がすると思って、今わくわくしながらお芝居中です〉
『人のセックスを笑うな』で歳の差不倫カップルを演じていた二人が『時すでにおスシ!?』では、どんな関係性を築いていくのでしょうか。
ドラマ第1話では、子育てを終えた永作さんが松山さんに、「私は今、誰かのために生きてるわけでもなければ、自分のために生きてるわけでもない」と切実な本音を語り、今後の二人の共演シーンにも注目が集まります。
これまで破天荒な“魔性の女”や絶望をまとった“狂気の女”を演じており、妖艶なイメージが強かった永作さん。そんな彼女はいまや、無理のないナチュラルな姿で、同世代からの共感が集まるような等身大の“かわいい50代”を好演しているというわけです。
