――車で走ってるだけなのに、ですか?
キマノー まぁ傷だらけのアルファードが、大音量で舐達磨の曲を流しながら走ってましたからね。職務質問する候補としては最優先だったんだと思います。後ろのパトカーに「止まってください」って言われて、手に持ってた大麻の塊を床に落ちてたユンケルの箱に突っ込んで、股間に隠しました。車から降りたら警察官に「なんだその膨らみは、出せ」と言われたんですけど、適当なことを言って時間稼ぎしている間にズボンの裾から大麻を捨てようとしたんですけど、ダメでした。
――警察に見つかった?
キマノー 大麻を全部捨てられたと思ってユンケルの空箱を渡したら、四隅にまだ残っていて、薬物検査の結果はもちろん陽性。それで、大麻所持で現行犯逮捕されました。
――捕まった瞬間、どう思いましたか?
キマノー いつか捕まるんだろうと思ってましたけど、やっぱりちゃんと捕まるんだな、今だったのか、と。
逮捕されてそのまま留置場に入れられ、翌朝実家に電話して、母親に「大麻所持で捕まりました」と伝えました。
「母は最後まで留置場に来ませんでしたね」
――ほとんど会話もしていなかった息子から電話が来たと思ったらまさかの逮捕。どんな反応だったんですか?
キマノー 母は電話口で絶句してたので、バイト先に欠勤の連絡をしてほしいとだけお願いしました。
3週間くらいして、父とバイト先の人たちが留置場に面会に来てくれたんですけど、母は最後まで来ませんでしたね。
――父親には何を言われたんですか?
キマノー 父とは何年も会っていなかったし、バイト先の社長も相当怒っているだろうと思っていたので、面会室で真っ先に「本当にご迷惑をおかけしました」と頭を下げました。でも顔を上げたら、みんな目が点になってました。逮捕されたことを怒るより、丸刈りにしてたことに驚いた、みたいな雰囲気でした。
バイト先の社長は「早く戻ってきて」と言ってなぜか5000円差し入れてくれて、父親も逮捕には驚いてたけど、裁判の情状証人を引き受けてくれました。
――不思議な反応ですね。
キマノー 父親も若い頃は色々やっていた、という話もその時に初めて聞きました。保釈金150万円も親に払ってもらって実家に戻ったんですけど、それでも母親は声をかけてもきませんでした。

