「夜の世界で出会った人」のサポートを得て、美容の道へ
――その人とはどうやって出会ったのですか?
小田切 二丁目という場所を遊び場にして来ているストレートの方……というか、ご結婚されて妻子もいるんだけど実はゲイ、というタイプですね。夜の世界で出会ったんですけれども、その人は貿易関係の仕事をしている人で。
私が自分の生活費も、専門学校の学費も全部工面しなきゃいけなかったので、夜の仕事をやるしかないという状況を彼が見ていて、「このまま夜の世界にいたら、君は自分のやりたいことができないから協力するよ」と言ってくれて。
――小田切さんの将来を案じてくれたのですね。
小田切 本当に人との出会いは大切ですよね。その人はちゃんとした方だったので、私が当時付き合いのあった、夜の世界の悪友たちと引き離すために色々と動いてくれて。
自分で買えなかった仕事用のハサミをプレゼントしてもらったり、私が本業でやりたいことに集中できるように金銭的にサポートをしてもらったりして、メイクスクールにも通えるようになって。
そういうパートナーの導きがあったことによって私は昼職といいますか、美容の道で生きられるようになったんです。
「500万円借りられるから、サインして」継母から“金の無心”が続き、自己破産を迫られ…
――その頃、家族との関係は続いていたのですか。
小田切 家を出てからずっと、継母から毎月のようにお金を要求されていました。美容室の下積み時代はお金がないので、毎月だと払えない期間もあったんですけれど、そうすると今度は優しい手紙が送られてくるんですよね。「元気にしてますか。体、心配してます。でもお金が足りなくて」というような。
――それもお金を出させるための懐柔なのでしょうか?
小田切 そうです。それで私も「ああ、やっぱりお金を入れなきゃ」と思ってしまうんですよ。やっぱり“洗脳”されているので。
でも、そういう家庭の事情をパートナーに相談していたら「弁護士を間に入れたほうがいい」と言って、弁護士を立ててくれたんですね。それで、家族と絶縁しようと決めたんです。
――継母からの金の無心はいつまで続いたのですか。
小田切 25、26歳の時までです。当時、伊勢丹で美容部員として働いていたんですけれど、そこに継母方の一番下の姉が店頭に来て「今うち、すごく大変なんだけど全然お金を入れてくれないじゃない」と言ってきたんです。私が大手外資系グループの社員だということもリサーチ済みなわけですよね。
そうしたらその姉が、3社のカード会社の借入契約書を取り出して「今のあなたなら3社から合計500万円借りられるから、サインしてちょうだい」と言うんですよ。「借入して自己破産するという手があるよ」と。
