「僕や二丁目で働く子たちが抱える苦しみをなんとかしたい」
総フォロワー数は220万人ーーインフルエンサーのたたさんは、LGBTQの当事者として積極的に発信を続けている。その背景には、ゲイコミュニティの中にある厳しい現実があった。
「外見が違うだけでこうも扱いが違うんだ…」ゲイの世界にも存在する"ルッキズム"
たたさんがLGBTQについての発信を始めたきっかけは、新宿二丁目での経験だった。「二丁目にいるゲイの中には、僕のようにLGBTQについて発信する人間に対して、"複雑な感情"を抱く人もいるんです」と語る。自身のセクシャリティを隠して生きている人々にとって、オープンに発信する存在は、時として厄介者となるのだ。
しかし、たたさんが二丁目で目にしたのは、それだけではなかった。
「二丁目って付き合う相手のルックスに対してシビアなんです」とたたさんは明かす。「僕も初めて二丁目に行ったときは痩せていたからチヤホヤしてもらえました。ところが太ったあとに行ったら、誰も相手にしてくれない」
この経験から、たたさんはゲイコミュニティにおける"ルッキズム"の問題に気づいた。外見だけで人を判断する風潮は、ゲイの世界でより顕著だという。
「一般的な男女の恋愛なら、学校や社会で出会って、顔はタイプじゃないけど考え方が似ていたり、お互いの相性次第でも付き合えるじゃないですか。でもうちらゲイにはそれがないんですよ」
たたさんによれば、ゲイの出会いは主に顔写真を基にしたSNSを通じて行われることが多い。そのため、外見以外の要素で相手を知る機会が少ないのだ。
「中身から入る出会いは…ほとんどない。でも、それって悲しいじゃないですか」とたたさんは語る。この状況を変えるため、たたさんは発信活動を通じて、ゲイの世界でも性格や人となりを通じて仲良くなれる環境づくりを目指している。
しかし、その道のりは決して平坦ではない。「しねよ」「人生やめろ」「存在がキモいから」…たたさんの発信に対して、時に厳しい批判が寄せられることもある。
「僕たちLGBTQがそうじゃない人のテリトリーを侵すと思われたら、批判されるんだ」と、社会の受容度にはまだ課題があることを指摘する。
それでも、たたさんは発信を続ける。「ゲイたちは異常なもの…まだまだ世の中はそんな認識じゃないですか。僕の発信を通じて、『もしかしたらうちの会社にもLGBTQの人がいるかも』『それが当たり前の世の中なのかも』って思ってもらうことが近道かな」
ゲイコミュニティの内外に存在する偏見や差別。たたさんの言葉からは、それらと向き合い、より良い社会を作ろうとする強い意志が感じられた。
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このインタビューの全文は、(#3)「結婚も、子供を作る未来もありえない」将来への不安から120キロまで激太りしたことも…35歳の当事者が語る“ゲイゆえの生きづらさ、(#4)「強豪チームの4番バッター」だった少年はなぜ野球をやめたのか…? 35歳・ゲイのインフルエンサーが見た“日本の不寛容”「いまだに女性の服が着たいと勘違いされる」または、以下のリンクからお読みいただけます。
「強豪チームの4番バッター」だった少年はなぜ野球をやめたのか…? 35歳・ゲイのインフルエンサーが見た“日本の不寛容”「いまだに女性の服が着たいと勘違いされる」
たたさんが語った「ゲイに対する厳しい視線」とは?
