「こんなことをするのは、もう親ではない」家族と絶縁できた理由

――自己破産を前提とした借金は、詐欺罪に問われる可能性もありますよね。

小田切 そうですね。なのでその契約書を持ち帰って、当時のパートナーに見てもらったところ「こんなことをするのは、もう親ではない。完全に縁を切った方がいいのではないか」と言ってくれて。

 人間としてやってはいけないことなので、その方に紹介してもらった弁護士に相談して、裁判所に接近禁止命令を出してもらったんです。

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――事実上の絶縁ですね。

小田切 完全に縁を切ってしまいたかったので、役所の人に事情を話して「戸籍を抜きたいです」と相談したんですね。

 でも戸籍って、家族が役所に申請すれば閲覧ができるそうで。だからどこへ行っても居場所が特定されてしまうから、逃げられなかったんですよね。(※注:児童虐待被害者・性的虐待被害者への支援措置として「住民票閲覧制限」が全国的に運用されたのは、2012年(平成24年)10月1日から)

 

家族と絶縁後、実母の所在が判明した

――絶縁を試みたということは、その時には“洗脳”が解けていたのでしょうか。

小田切 自然と解けていましたね。色々な人たちにそうやってお世話になっていく中で真実を知って、色々な経験が繰り返される中で冷静な目を持つようになっていたので、あるとき継母からの手紙を「これは洗脳だ」と気付くことができたんです。

 それから継母たちと絶縁する時、役所の方に「私の実母の戸籍を見ることができますか」と聞いたら「できます」とのことだったので調べてもらったんですね。そうすると、板橋に籍があることがわかって。

――5歳の時にご両親が離婚して以来、一度も会っていなかったのですよね。

小田切 そうなんです。だから「会いに行こうかな」と思ったんですけれど、当時のパートナーから「会わない方がいい」と言われたんですね。

――それはどうしてですか。

小田切 「会ったとしても、良いことは絶対にない」と。実母はきっと何かしら抱えて生きているから、会うと責任を負うことになると言いますか、私が放っておけなくなってしまうのではないか、と彼は考えてくれたんです。「特に今、人生が良い方向に向かっているんだったら会う必要がないと思うよ」とも言われて。

――最終的に、小田切さんはどういう選択をしたのでしょう。

小田切 会いに行かなかったんです。板橋のその籍、戸建てだったんですよ。だから「多分、家庭があるな」と思って。それであれば、見ない方がいいかなという選択をしました。