黒岩は1950年、長崎県長崎市で5人兄弟の末っ子として生まれた。幼少期から性格は内向的で注意力も散漫だったが、運動神経は抜群で、中学時代は東京オリンピック(1964年)の聖火リレーの伴走者に選ばれたこともあった。

「有名芸能人のように豪華な家で暮らしたい」

 中学卒業後、長崎市内の私立高校に入学。高校時代は校内競技大会で、クラスのバレーボールチームを率いて優勝の原動力になるなど、陽気な性格で、入学から4ヶ月間は真面目に通学していたが、同市役所の職員だった父から手に職をつける道に進むことを勧められたことに嫌気がさし、1年生の夏休み中の1966年8月に、父名義の預金から勝手に10万円を引き出し家出。高校も中退した。

 その後、兵庫県神戸市のパチンコ店に住み込んで働いてから、1967年3月に上京。東京都品川区西大井の印刷所に住み込みで勤務したものの、2ヶ月後の5月末には退職してしまう。非社交的で親しい友達はおらず、当時の趣味は1人で映画やテレビを見たり、漫画を読むことだった。

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 退職後、長崎の実家に戻り、同年8月に同市内の石油会社に入社。ガソリンスタンドの給油・パンク修理などの仕事に従事するも、昔の知人からは依然としてバカにされ、冷たくあしらわれる日々。鬱屈した心はやがて、有名芸能人のように豪華な家に住んで贅沢な生活を送ることで、自分をバカにする地元の人間を見返してやろうという考えに支配されていく。