「身代金で贅沢な生活をしたい」──その歪んだ欲望が、7歳の命を奪った。
昭和44年、東京・渋谷で起きた身代金誘拐事件。逮捕された19歳の男は、なぜ無抵抗の小学生を刺殺し、遺体を駅に遺棄するという凶行に及んだのか。鉄人社の新刊『高度経済成長期の日本で起きた37の怖い事件』よりお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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7歳少年を殺害した誘拐犯の人生
事情聴取で正寿ちゃんを殺害し、死体を遺棄したことを自供したため営利誘拐・殺人・死体遺棄の容疑で、その男、黒岩恒雄(同19歳。事件当時、実名は伏せられていた)を緊急逮捕する。
その後、供述どおり東横線渋谷駅構内の荷物預かり所で、鞄に入った正寿ちゃんの遺体を発見。
取り調べに対して黒岩は「金に困り、1週間前から誘拐を計画した。犯行のヒントは映画やテレビ(特に「ザ・ガードマン」)を参考にした」と供述するとともに正寿ちゃんが履いていた靴のうち片方を持ち歩いていた理由については「吉展ちゃん誘拐殺人事件の犯人が身代金の取引の際、自分が犯人であることを証明するため被害者の靴を使ったことを知っていたので、子供を始末してからも靴だけは持っていようと思った」と述べた。
